例えば初対面の方に自己紹介をする機会があるとして、自分の趣味を打ち明ける事があると思うのですが、私の場合はその相手が仕事上の関係であろうと遠い親戚であろうとご近所の方であろうと、正直に事実を述べる事は無いと思います。
私の趣味は、宝石です。
宝石の趣味と言っても、その道(その沼?)に棲む住人を調べてみると色々な種属が居て、私の場合は鉱物収集からルース収集、既製品のジュエリーからオーダージュエリー、この辺りに属します。
合金製&貼り付けガラスのアクセサリーやブランドジュエリーは専門にしていない形です。
合金製のアクセサリーでよく出来た物は本当に素敵なのですが、しっかり手入れして使ってもあまり長持ちしない事と、
ブランドジュエリーは価格的に好みのデザインを手に入れる事が難しいという側面で手を出していません。
元々ファッションの分野に興味があったので、アンティークジュエリーのデザインや当時の装いについて学んだりする事も趣味の一つになっています。
何故自分の趣味について正直に語る事が無いかと言えば、皆さんご存知の通り、宝石の趣味と言うと尽く嫌われる為、と言うのが理由です。
どれほどに工夫をしてどれほどに節制しながら、たとえ身の丈に合った買い物をしていても、そんな無駄なもの、贅沢だと批判されてしまうこの趣味…。
特に日本では顕著だと思うのですが、普段着にアクセサリーやジュエリーを身につける事自体が無駄だと考える方が多い為、結婚指輪を除いて、ジュエリーを購入する事と身につける事に大義名分が存在しないのです。
そう言うわけで、ひっそりと誰とも共有せず孤独に楽しんできたこの趣味ですが、
心機一転、SNSやブログで記事にするようになってから変化が起きてきました。
元々私のジュエリーの楽しみ方というのは、ややこしいプロセスを踏んでいたり(価格を抑えるための工夫がめちゃくちゃ面倒くさいと思う…)、ブランドジュエリーなどでは無い事で価値が分かりにくい為、きっと誰にも需要がないような情報だろう、即ち誰も読まないような記事を書いているという自覚がありました。
然し、ぽつりぽつりと読んでくださる方が増え、最近では私の所有しているジュエリーに似たものを求められる方や、宝石の購入方法を尋ねてくださる方が増えてきました。
今までは誰にも褒められないような趣味だと思ってコソコソとしていましたが、こうして情報を公開して行くと、宝石という物は須らく心の潤いなのだなと改めて感じます。
洋服を装うだけでは潤いきれない、何か不思議な波動を纏うような「宝石を身につける」という行為は、忙しい現代に生きる大人、特に大人の女性にとって大切な事なのだろうと感じている訳です。
余談ですが、誰にも読まれない、需要がないようなブログを何故はじめたのかと言うと、宝石の購入に関するコアな情報を公開している日本語のブログが極端に少なく、実際に私が困ったという経験に起因します。
欲しい宝石があるけれど、価値がわからない、売っている場所がわからない、高くて購入できない、そんな風に思ったところで問題を解決するような情報が本当に少なかったのです。
全く無い事は無いのですが、
専門家のブログは内容が難しい割に肝心なところ(痒いところに手が届く的な)は触れていなかったり、
販売者目線のブログはメリットのみの表現(物事はデメリットメリット両方存在する物です)であることが多く、
消費者目線のお買い物ブログは、(私のブログも含め)筆者の好みで取り扱う品物が偏ることは当然…。
要するにネット上に散り散りな情報を集めるだけでも大変で、それを全て理解し記憶し、解釈しなおす作業は楽しいながらもとても大変で、更にはある専門家はある専門家とは真逆の事を言っていたりするので情報の取捨選択をするというのも大変でした。
こう言った経緯で、私が調べたり見聞きしたりした事をブログにまとめてみたら、宝石が欲しい人の知りたい情報についてひとつくらいは満たせるのでは無いか?と思ってのブログ開設だったという訳です。
そして、このブログを通じてジュエリーを身近に楽しむ方が一人でも増えたら、誰かにこの趣味を正直に打ち明けた時、眉をひそめられてしまうような場面が減るかもしれない…そんな期待もありました。
まだまだそんな日が来る事は先でしょうけれども、小さなジュエリー工房さんや個人経営の職人さん達も通販や小売をはじめられて頑張っていらっしゃるし、普段からジュエリーを楽しむ方が増えると良いですね。
最後に…
女子あるある(?)というか、自分の持ち物を真似されたく無い問題ってあると思うのですが、
私の場合は真似して頂いても全然大丈夫どころか「お揃い嬉しい!」っていうタイプなので、ご心配はなさらずです^^
つい先日も、数カ月前にご相談を寄せて頂いた方が、 「ついに大粒ダイヤモンドのソルテールを手に入れたよ!」というご報告をくださり、とても嬉しく思いました。
私のブログが、ジュエリーを楽しみたい方のヒントに、ジュエリーを楽しんでみたい方のきっかけの一つになれば幸いです。
皆さまの毎日が、ジュエリーの煌めきと共にありますように。
(おしまい)