何やらまた騒々しい表題ですが、今回の旅の詳細をここに記してみましょう。
旅と言っても色々あると思いますが大長編、長旅ですよ。
構想三年‥。
動き始めて三年…。
六年もの歳月を虎視眈々と、情報収集をしながら過ごしておりました。
2ctのラウンドブリリアントカットが欲しい
そう具体的に意識したのは六年前、理由は「2ctの丸いダイヤモンドが、私の手に似合う気がする。」です。
こちらの記事でも詳しく触れているんですけど、私の手は縦にも横にも大きいので、1ctのダイヤモンドはこぢんまりとして見えます。
Instagramで1ctのソリテールを着用されている方の投稿を見て…
「私もああいうボリューム感のあるソリテールを身につけたい。」
そう思ったんですね。
そして、私の手にボリューム感のあるダイヤモンドなら1.5ct…いや1.8ct…!!
1.8ctは探すのが難しいかもだから、キリよく2ctかああ!!!
そのような思考回路で2ctのダイヤモンドが欲しいということを強く意識するようになりました。
然し六年前の我が家の家計は火の車、猛スピードで走り続ける火の車にしがみついている最中に2ctのダイヤモンドを買うなんて到底無理でありました。
でも私は諦めなかったのです。
虎視眈々と出会いを待つ
「2ctのダイヤモンドを買っても大丈夫かもしれない。」
そう思える日が来るまで虎視眈々と情報収集をしておりました。
勿論その情報収集というのは、経験値を上げるためにダイヤモンドを購入したり、仕立て直しの回数を重ねるなど実践的なことも含まれています。
経験値がないとこのような買い物は失敗しますから、ただ貯金するということではなく、自分への投資も欠かさないように…さまざまなお買い物や仕立て直しから学べるだけ学んだという感じです。
例えばこの記事に記したように、4C以外の事についても、知らないままでは2ctのお買い物に失敗していたでしょう。
お金さえ用意すれば良いものを手に入れられるわけではなく、ご縁があるものを見極めて投資をしていく、そういう事の大切さに気づいて来ました。
ご縁がない時に欲しいものを強引に手に入れようとするとヘンテコなものを購入してしまう、そんな失敗も数回重ねて徐々にわかってくる感じですね。
イマココ!というチャンスが来るも…?
虎視眈々と待つこと数年、ある年にチャンスが来たように感じました。
「ようし、年末にはいけるかも知れないぞ!」
そう思った矢先、夫の通勤時間を短くするために家を買う事に…!
そしてその翌年は新型コロナの大流行で私が開店休業…のちに失業…!
そしてその翌年は夫の転職でボーナスカット…!
そして今年なんです。今年、チャンスが来たのです!!!
2ctのダイヤモンド、気にいる個体に出会えない
費用面でのチャンスが到来、これくらいなら生活に支障を与えないという、まとまった資金の用意ができました。
「よし、ではダイヤモンドを探しに行こう〜!」
と意気揚々と街に繰り出すも、見るダイヤモンド全てがなんだかピンと来ないのです。
カットグレード等の問題なのか…そう考えてエクセレントカットを見てみても、何かが違うのです。然しそれが何なのかが全くわかりません。
綺麗なことは綺麗なのですが、なんというか何かが足りないような…?
グレードを上げたら上げたで今後は何だか輝きが硬質に感じて好みではない…。
気に入る個体に出会えるまで一体どれくらいかかるのだろう、いや、若しかして出会うことはないのかも…などと思うようになりました。
1.5ctのダイヤモンドの中に、気にいる個体が複数見つかる
沢山のダイヤモンドを見るなかで、1.5ctの中には好みのものが多いという事実に気づきます。
ラウンドブリリアントカットはカット数が決まっているので、ダイヤモンドが大きくなるとカット面が大きくなり、段々と大味な印象になってきます。
ですので、もしかしたら1.5ctが私が美しいと感じる限界点で、それ以上の大きさだと私が気にいる個体に出会えないのかと…そんな事も薄々感じるようになりました。
はたまた、もっともっと予算を上げないとダメ、予算の三倍くらいの個体なら私が気にいるダイヤモンドとの出会いがあるのではないか…とも。
然し、予算を三倍に上げる事は不可能でありました。
↓予算三倍では足りない!!!
円安・ドル高・ロシアの影響に焦る
私は今回のダイヤモンド探しで、合計四社に複数のダイヤモンドについて問い合わせをしています。
その四社全ての方が皆一様に言う事、それは、
「今ある在庫が無くなったら、次の仕入れは1.5倍〜1.8倍…例えば今なら100万円で買えたルースが、150万円〜180万円出さないと買えないイメージになります。
ダイヤモンドはドル建てなので円安の今はとても不利ですし、ロシアの影響でそもそものダイヤモンドの流通が減っておりアメリカでの取引価格も上がってきております。」
そして、ある業者さんはこんな事も…
「そういう状況なので、私どもも今ある在庫を海外に販売した方が高く売れるのです。実際にダイヤモンドの仕入れ先が買い戻そうとする動きがあります。」
このように、日本からどんどん過去の在庫が流出し、新たに入ってくる石は絶対に私の手に届かないのです…。
そういう事実を知った私は焦り、焦りを通り越して気持ちが一気に冷めてしまいました。
無い袖は振らない、現金で買えるものしか買わないというポリシーがありますからね。
2ctのダイヤモンドを既に所有しておられるフォロワさんとの貴重な会話
気持ちが一気に冷めてしまっても、タダじゃ転ばないのが私であります。
インスタグラムにて、2ctのダイヤモンドを既に所有しておられるフォロワさんと世間話(?)をしたところから状況が変わって来ました。
2ctのダイヤモンドを買った時の状況や価格を教えてくださったんです。
綺麗な輝きをする個体&購入できちゃう価格帯だったから頑張ってしまったとの事ですが、今ではあり得ない価格で、大粒のダイヤモンドはどんどん価格が上がっていくのだなと痛感しました。
そして、そのダイヤモンドは2ctなのに小さく見えると…。
それって厚みがあるダイヤモンドということではないかな…厚みがあるダイヤモンド?
そこにヒントがありました。
私は1.5ctを超えるラウンドブリリアントカットが好きではないのかも疑惑
手持ちのライトイエローのクッションカットは2.5ctでして、
「なんでクッションカットの大粒は綺麗に思うのに、ラウンドブリリアントカットの大粒にはあまり惹かれないのだろう…。」
その時、全ての点と点が繋がりました。
「ああ私、ラウンドブリリアントカットではない丸いダイヤを買えば良いのかな!?」
お話を伺ったフォロワーさんのダイヤモンドは、輝きがいいのに厚みがあるとの事…そう言えば、そういうダイヤモンドをどこかで見たことがある気がする…?
確か…カットグレードがFairで2.5ct程の石を中古屋さんで見た事があって、厚みがあるどころかコロンと丸っこいフォルムのダイヤモンドで、ウルウルキラキラした輝きが独特で美しいなあと思ったことを思い出したのです。
ああいう個体に出会えたらそれは寧ろアリかも知れないと…気持ちの変化がありました。
ラウンドブリリアントカット以外の丸いダイヤモンド、そう気づいて直ぐにイメージしたのはオールドヨーロピアンカットの存在です。
オールドヨーロピアンカットとは
現在のラウンドブリリアントカットが発明される前のカットスタイルでして、18世紀〜19世紀頃に主流だったカットとのことです。
テーブルが小さく、クラウンに厚みがあり、キュレットがカットされている、など現代のカットとは違う特徴を持ちます。
↓この動画の左がオールドヨーロピアンカット、右が現代のブリリアントカットです(真ん中はサーキュラーブリリアント)
という事は…?
オールドヨーロピアンカットはラウンドブリリアントカットより厚みがあるという事になるので、2ctの石を求めてもこぢんまり見えることは否めません。
然し、ラウンドブリリアントカットの中から探すよりも気に入った個体を見つけられるなら、微妙な物を買ってしまうよりはずっと良いのかも知れない、そう思ったのです。
オールドヨーロピアンカットのダイヤモンドを既に所有しておられるフォロワさんとの貴重な会話
オールドヨーロピアンカット、そう聞くと真っ先に思い出すフォロワさんが居ます。
「あの美しい石は、肉眼ではどのように見えるのだろう…。」
そのように思い、オールドヨーロピアンカットについて幾つかの質問をさせて頂きました。
すると親身になって聞いてくださり、オールドヨーロピアンカットの見え方や私の好みの傾向、様々な角度からアドバイスを下さり、オールドカットのダイヤモンドルースは比較的お買い得である事も教えてくださいました。
ここで一気にオールドヨーロピアン探しのスイッチが入りました。
善は急げ!!
オールドヨーロピアンカットは一体どこに売っているのか?
オールドヨーロピアンカット、それは大昔に主流だったカットなので探すにはアンティークのダイヤモンドから探さねばなりません。
アンティークジュエリーだと台にセットされちゃってるし、2ctもの中石があるリングなんてそれこそ私の手に届きません。
困った時はGoogle先生に質問です。
『オールドヨーロピアンカット 大粒』そう検索窓に打ち込みまして、画像検索ボタンをポチ…
すると、気になるものが目に飛び込んできました。
Kカラー、Lカラー、Mカラーの色甘オールドヨーロピアン達
あるショップさんがKLMの色甘カラーのルースを多く持っている事がわかり、このカラーグレードのダイヤモンドに興味を持ちました。
ただし私が今回作ろうとしている指輪はホワイト地金のソリテール…このデザインを成立させるならカラーはJくらいまでではないか…そう思っていたので悩むことになります。
そこで見るべきなのはウェディングビー!
ここに興味深いスレッドを見つけます。
https://boards.weddingbee.com/topic/sharing-my-new-1-23ct-round/
Mカラーの石をホワイト枠に入れたんだけど、殆ど色が気にならないんだけど見る?
みたいな感じの内容に…これ、アリかも??と!
オールドヨーロピアンカットの実物が見たい
とは言え私はオールドヨーロピアンカットの実物をまだ一度も見た事がありません。
見た事がないので本当に好みかどうかも全く不明…。
Googleの画像検索で見つけたお店のルースは、どこかで実物を見れないだろうか?
そう思い、ひとまず問い合わせをしてみる事にしました。
・ラウンドブリリアントカットの大粒に好みの個体が見つけられない事
・ラウンドブリリアントカットは1.5ctくらいだと好みの個体が多く出てくる事
・まだ一度もオールドカットのダイヤモンドを見た事がないという事
・実物を見る機会があるかどうか
このように質問してみると、優しく的確に素人の私でも理解しやすいような表現で、それでいて膨大な情報を下さいました。
そして最後に、
「当店はイメージ違いの返品が可能ですし、気軽に見て頂いて構いませんよ。好みじゃなかったら返品して頂いて結構ですし、寧ろ実物を見て頂きたいです。」
このように暖かく迎えて下さいました( ◠‿◠ )
実物を見て見ると…?
私にとっては超高額なお買い物でしたので、フリマアプリ経由…ラクマ経由で決済をする準備をして頂きました。高額なお買い物では、少しでもポイントがつく方がいいですよね。
この時更に、ラクマのクーポンが配布されるまで待って下さったりと、とっても親切にして頂きました。
届いたダイヤモンドは、正直に言うと、好みの傾向のダイヤモンドとは違いました。
ただ、今まで見たどのダイヤモンドよりも美しいのです。
私は大混乱…イメージしていた美しさとは方向性が全く違う…
だけれど、今まで見た大粒丸ダイヤのどれよりも美しい…。
例えるなら、俳優の綾野剛氏のようなダイヤモンドなんです。
スッキリとしたシャープな美しさ、それでいてウルウルとした素朴な一面もあり、無骨な力強さがある、その全てが混じり合うと産まれる唯一無二のエレガントさ…。
↓綾野剛氏が出演しているMVです。
そしてこの個体は、上で記したようなオールドヨーロピアンカットの特徴、クラウンが厚いという特徴を持たない薄型にカットされたダイヤモンドでした。
その所為で場面が大きいのなんのって!!8.3-8.6mmですよ!!
まさに高身長の綾野剛氏…頼もしい立派なサイズ感にクラクラします…。
私が理想としていた好みのダイヤモンドは、正統派な王子様、そんな美形なダイヤモンド…例えるならディーンフジオカ氏のようなオールドヨーロピアンカットのダイヤモンドでした。
大混乱する頭の中で、私の知能レベルはIQ3にまで下落し、捻り出した答えはこうです。
「例えば綾野剛から猛アプローチされて…(?)でもドンピシャな好みはディーン様だから、ディーン様に出会えるまで待とう…って、ならん!!」
そう思った矢先、あるフォロワさんからの一言…。
「リエコさん…あなたの脳に直接語りかけています…ダイヤモンドが今後爆上がりしてしまうのなら…今綾野剛氏を迎えて楽しみ…ディーン様に出会えた時に手放せば…決して損はしないのではないのですか…....。」
ハッッ( ゚д゚)
そうかも知れない…!
だけど私、今後ディーン様に出会えても綾野剛君を手放すなんてできないよ!
私の運命の石はラウンドブリリアントカットではなくオールドヨーロピアンカットの中にありました。
そんなわけで、六年かかってやっと…運命の石に出会う事に成功しました。
途中何度も諦めかけましたが、諦めなくて良かったです。
毎日身につける予定の石なので、頼もしいイケメンなダイヤモンドが見つかった事、とても幸運に思います。
沢山の方のご縁がなかったらたどり着くことがなかった石でした。
宝石との出会いって、恋愛にも似たものがありますね。
全てのご縁に感謝しています。
最後に、私にダイヤモンドを繋いで下さったショップ様を紹介してみましょう。
店主さんはかなり深い知識がある方なので、検討中のダイヤモンドについて気になる点やわからないことは率直に訊いてみましょう。
気さくな感じで訊き易いですし、とても親身になって下さいます。
宝石の買い物は少しでも不安に感じたら商品が魅力的でも取りやめるようにしているのですが、今回のお買い物では不安なく安心してお取引をさせて頂きました。
「本当に自分が良いと思ったものしか扱わない。」そう決めていらっしゃるとの事、今後もお店を覗くのが楽しみですね。
六年もの間、恋焦がれて探し求めていたダイヤモンドは、ラウンドブリリアントカットではなく、オールドヨーロビアンカットでした。
それも正統派なオールドヨーロピアンカットではなく、個性的な美しい石でした。
優しくて素朴な、それでいて力強く頼もしい、クラクラするような魅力に溢れたダイヤモンドでした。
この幸福感たっぷりなダイヤモンドに出逢えた事、その幸運に歓びでいっぱいです。
これにて私の、ラウンドダイヤモンド探しの旅は終結です。
めでたしめでたし。
(おしまい)
↓美しいダイヤモンドの動画はこちらに…♡