リエコの手帳

趣味と暮らしの覚え書き( ◠‿◠ )

美しきソリテールの秘密 〜アンジェラさんMR559の特注品〜

金色に輝くフープにポンっと乗った白金の石座、この美しいソリテールには幾重にも重なる秘密がありました。

本日はその秘密のお話しをしましょう。

 

昨日ブログを読み返していましたら、このリングに就いて詳細を記していなかったなあと、仕立てから一年も経ちますが改めて記事を書いてみましょう、という回です。

こちらのソリテールリング、この記事で比べていますようにアンジェラさんのMR559というモデルです。

並べて比べるほど数を持っている…つまり私が物凄く気に入っていることが良くお分かりだと思います。

この枠をとても気に入っている点は、良くある立て爪の枠とは一線を画す、良く考えられた枠だなあと思う点です。

こちらのMR559という枠、この商品レビューを全て読んでみると判るのですが、かなりの数の方が「リフォーム前よりダイヤモンドが美しく見える。」と発言しています。

ここに興味を持ちまして、祖母のダイヤモンドリングをお仕立て直しして頂いたのが始めてのコンタクトでした。

仕上がり後、やはりダイヤモンドは輝いて見える、しかも枠の高さ腕の具合も良いなあと…!

それをきっかけに、立て爪の空枠ならアンジェラさんに頼むようになったのです。

美しきソリテールの秘密

こちらのリングは、アンジェラさんのMR559という枠の細部をカスタムして特注で製作していただきました。

まず地金、腕の部分は割がね5:5のイエローゴールド(K18YG)で、石座の部分がプラチナ(PT900)です。

割がね5:5というのはこっくりとした金色で、ちょっとピンクゴールドにも雰囲気が近いイエローゴールドです。でも勿論ピンクゴールドのようにピンクピンクしているわけではありません。言葉で色を説明するのは難しいですね。

MR559のイエローゴールド枠は、特にお客さんから指定がなければ5:5で作るそうで、指定すれば青金とかもできるようです。

そして、石座を底上げしてもらっています。

一度腕と石座を切り離し、そこに「底面に穴が空いたカップ形のパーツ」を入れて底上げするような感じみたいです。

この写真に載っているリングは全てアンジェラさんのMR559という枠ですが、本記事のリングは右から数えて三番目です。石座を底上げしているのはこの一本のみです。

こうして並べて見るとカスタムした箇所の違いがよくわかると思います。

そのお隣、右から数えて四番目のリングは中石が同サイズの1ctのリング枠です。ほんの少し高さが違うだけなのに、かなり印象が違うのではないでしょうか。

ここをカスタムするかどうかって、結構好みが分かれるところです。

立て爪は飛び出ているから日常使いする自信がないけど低めなら使ってみたいという方ならカスタムしない方が良いでしょう。

カスタムしない枠も凄く良いですからね。絶妙な爪の繊細さや石の持ち上げ加減、ダイヤモンドが引き立つデザインでありながら飛び出すぎていないので、日常使いもトライしやすいと思います。

また、よくある空枠はのっぺりしていてしっくり来ないけれどティファニーのソリテール(立て爪)は爪も腕も立体的すぎるからもう少し繊細(華奢な)な方が良い、だけどちゃんと石を持ち上げた枠が良いという方はカスタムが超おすすめです。

日本中を探してもここまでしっかりダイヤモンドを持ち上げているソリテール枠ってなかなかないですし、前回の記事でお話ししたように、このような枠を手作りの職人に作らせることは却ってハードルが高いです。

前回の記事↓

ですので、比較的安価な上にお店さんとの意思の疎通という点でのハードルも低い、空枠という方法でこのようなリングを手に入れることができるというのは、非常に有り難いと思うのです。

なぜ枠を変えただけでダイヤが光るようになったのか

冒頭でもお伝えしたように、アンジェラさんのMR559枠にお仕立て直しをすると、なぜかダイヤモンドが輝き出すんです。

これ、ずーっと理由がわからなかったんですが、私が別のところ(手作りの職人さん)で婚約指輪を仕立て直しした際に、同じくダイヤモンドの輝きが増していて、率直に職人さんに訊いてみたら…

「多分、石座の内側や爪の内側をできるだけ鏡面仕上げにしているからですね。」

と回答をいただいたんです。

へー…そういえばそんな話聞いたことがあるなあと思うも、その時のことは記憶の彼方に…。

 

で、前回の記事で記したやりとりの時、唐突にその事を思い出しまして、

「持ち込んだルースはアンティークカットにつき光の跳ね返しが完璧ではありません、ですので有料でも構いませんので石座や爪の内側を鏡面仕上げにできませんか?」

と、担当さんに訊いてみたんです。

すると…!

「こちらの枠を作っている工場は、元々出来る限り内側を鏡面仕上げにしているので料金はかかりませんよ。」

えーーーーーーー!?

「もしかして、それって今回お願いする887枠だけじゃなく、以前作っていただいた559枠も同じ工場で内側を鏡面仕上げにしていたりします???」

「そうです。887枠と559枠は同じ工場ですので、同じようにブラシが届く範囲のところまでは出来るだけ鏡面仕上げにしています。」

だからだ!!!

「だからアンジェラさんでMR559の枠に入れ替えると、それだけでダイヤモンドの輝きが増すのですね!」

そう、電話口で声高に(うるさい)叫んでしまいました(大爆笑)

実は私、これには超びっくりしてしまって、なぜかというと銀座のジュエリー屋さんで過去断られたことがあるからなんです。

その時にスタッフさんからご説明いただいた内容は、

「ダイヤモンドのブリリアントカットは、光を全て跳ね返すカットを施されているので、内側を磨くことは意味がありません。どうしても、ということであっても、当社の職人だとやっていないですね。」

ということです。

私はその時、こう思いました。

「理論上はそうだけど、例えエクセレントと記載がある石であっても、そもそも石の質が良いという前提があって、アイディアルカット等でなければ、全ての光を完全に跳ね返すという理論を当てはめるのは困難なように思う。」

これはなぜそう思うのかというと、ダイヤモンドの画像や動画をブルーナイルなどで大量に見ると良く判るのですが、エクセレントであっても明るいエクセレント暗いエクセレントが存在するんです。あれは撮影環境ではく、人間がカットする限界というか、そういうものなのではないかなと思うのです。

ですし、私の好みのダイヤモンドはVERY GOODくらいまでなので、多分全ての光を跳ね返してはいないと思う‥だから石座や爪の内側に鏡面仕上げを施していれば、跳ね返すことができずに下の方に逃げてしまった光を、鏡面の部分が跳ね返すのを手伝ってくれる感じで、とっても輝きが増すのではないでしょうか。

あれこれ考えるよりも実際にやってみた方のお話し、MR559のレビューで語られていることが全て…この枠に石を入れ替えるとダイヤモンドが前よりも輝いてくれるのです。

これは事実です。

もし、私が行ったカスタムと同じもの、特注品のMR559を発注したい方のために、ここにオーダーで伝えるべき簡単なリストを記しておきますね。

1. 腕はK18YG、割がねは5:5のまま

2. 石座を一段上げる

3. ダイヤモンド周りはPT900で(こうすることで石がより白く、より大きく見えます)

これだけ、三つだけですね( ◠‿◠ )

あとは普通に注文する時と同じ、リングサイズと、留める石のサイズを選ぶだけです。

※留める石のサイズによって金額が変わりますので注意してください。

石座を一段上げるのと地金を二種類使用するのは有料オプションです。

私が作っていただいた時より地金の相場が上がっちゃったので、オプション料金も変わっていると思います。その辺りも含めて、一度問い合わせてみましょう。

 

皆さんのダイヤモドが、愛すべきソリテールになりますように。

この記事がヒントになれば嬉しいです。

 

美しきソリテール…

それは潔いほどに凛とした、それでいてとびきり華やかな、つい目を遣ってしまう特別な指輪です。

指先から放つ一筋の光と煌めきを、この指の上で味わってしまったなら、きっと貴方も虜になってしまうでしょう。

 

(おしまい)

 

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by リエコ (@rie_ko_gram)