本日は手作りのスタッズピアスのお話しです^^
Instagramよりリクエストを頂きましたので、文字数を気にせず自由気ままに掘り下げて参る所存でございます。
Dさんリクエストありがとうございます!
では早速いってみましょう!
こちらのダイヤモンドは、つい先日まで既製品のピアス枠に留まっておりました。
その既製品のピアス枠から「全く同じデザインの手作り枠」に作り替える、というのは大変勇気の要る選択で、だいぶ長い事モヤモヤしておりました。
モヤモヤしている理由は、このような感じです。
1. 落ちないキャッチと相性が悪くて落としそうで怖い
絶対に落としてはならない高価なタイプのピアスは、落ちないキャッチを必ず装着せねばならないのですが、なぜだか落ちないキャッチが緩くて…。
恐らくこれはポストの太さが微妙に細いのだと思います。
落ちないキャッチって、シャープペンシルがシャー芯を掴む仕組みと同じ物らしいです。
シャープペンシルが対応してるサイズより細いシャー芯を入れてしまった時、筆圧で芯がズレて文字が書けないという経験をされた事がありますよね。
あれと全く同じ現象が、耳たぶの上で起こっているという事です。
マスクの紐を外す時に引っ掛かるなど、何かの拍子に力が掛かり、1ctのダイヤモンドがピンッと飛んで失くしてしまうのは時間の問題だと思っていました。
2.なぜかわからないけど、耳たぶに着けると全く輝かない
実を言うと、これは何が原因なのかが良くわかっておりませんでした。
(本記事の後半で原因がわかります。お楽しみに。)
件のピアスは片耳1ctのダイヤモンドですが、クラリティーはI1、カットグレードも高くありません。
ですが、指でつまんで眺めている分にはアイクリーンと言うか、クラックや内包物の存在が輝きを邪魔しない感じでテリと輝きと透明度が高い個体なんです。
だけど、なぜだかわからないけれど耳に着けるとキラッとしないのですよ。
その上、一日装着するとヘアオイルや皮脂がついてガッツリ曇ってしまい…。
身につける際に全く気分が上がらない残念なピアスという認識でした。
このように二つの理由がありまして、長いことモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤしておりました。
この時のデザインも四本爪のスタッズピアス、作り替えるにしても四本爪のスタッズピアスが良かったので、ただお金を掛けて同じデザインでやり直しするのは勿体無いと言うか…。
贅沢すぎるよな…という感じだったんですよね。
それに2の輝かない問題に関しては、手作りの素敵な枠に入れて改善できるとも思っていなかったのです…。
では、なぜ仕立て直しをすると決めたのかというと、勿体無いとかの気持ちより、手作り枠への強い興味が勝ったことです。
そしてやはり、時間の問題で1ctを失くすのはどう考えてもそっちの方が勿体無いって思ったんですよね。
そこでギリギリまで考えていたのは、ポストだけを太い物に取り替える、簡単な修理にしようかな〜と言う方向性です。
だけど折角上手な職人さんに依頼するなら石座も丸ごと上質なものに取り替えた方が満足するし、上手な職人さんが作る上質な1ctピアスを見てみたいんだ!と、知的好奇心が圧勝したため、フルオーダーでの依頼をする事に致しました。
職人と打ち合わせ
心を決めたらまず行うのが、職人さんとの綿密な打ち合わせです。
現状モヤモヤしている点を伝えつつ、高級なラインのスタッズピアスを作る際と同じ作りの枠をつけて頂きたいとお願いしました。
ダイヤモンドを託してから数週間後、途中経過の写真を頂いたのですが、元の枠と新しい枠を並べた様子に驚きました。
な、なんかモノとして全く違う…!
地金の厚みも細部の作りも何もかもが違っており、胸が高鳴り身体が熱くなりました。
鋳造のお手頃な空枠は極限まで地金を減らしてコストカットしているので、鍛造の高級ラインの手作り枠と比べたら、全く別ものといった感じです。
コストを追求する場合は空枠で仕立てる良さがあるので、どっちが良いとかではないのですが、今回は手作り枠に対するワクワク値が上昇…!
これは楽しみだぞ!!!
仕上がりの連絡を頂き、お品物をこの目で見て感激しました。
ピアスという小さなアイテムなのにも関わらず、物凄く重厚感があるのです。
これはゴツいという意味ではありません。
今までは何だか心許ない感じがあったのですが、今は安心して見詰められる、安心して耳たぶに着けられると思える、ドッシリ感があります。
そして極め付けは、ダイヤモンドの輝きが明らかに強くなっているのです!!
今までも耳に装着しなければキラッキラで照りと輝きが良いのにと思っていたのですが、枠が変わってからはもっともっと輝きます。
光を浴びると虹色の光を放ちます。
実はブログの仕様が変わりインスタの投稿を貼れなくなってしまったので、YouTube上に虹色に輝く様子の動画を掲載しました。
ヌルッとYouTubeデビューです。
お祝いしなければなりません。
同一のダイヤモンドなのに枠を替えただけでこんなにも違うの???
そう思っておりましたら、職人さんよりこんなお話しがありました。
「ピアスは外側はもちろん内側もピカピカに磨き、ほんの少しはダイヤの輝きの手助けになってれば幸いです。」
そうか!!!
ダイヤモンドは光りを集めて輝くから、ダイヤモンドを包む石枠の内側がピカピカの鏡面に磨かれているかどうかで輝きの強さが変わるんだ!!!
こちらの記事でも石枠の内側を鏡面に磨く効果について触れています↓
この写真がとても分かり易いのですが、左の枠(鋳造のお手頃空枠)の石枠は内側の地金が荒れています。
ハイグレードな天然ダイヤモンドを専門に扱う業者さんが記事にしていたのを読んだ事があるのですが、ダイヤモンドってこういう地金の荒れを確実に拾うらしいんですよ。
これってカットグレードが最高のダイヤモンドであっても、テーブル面から入る光しか輝きに影響がないわけではなく、キュレット側から入る光も大いに影響があるという事みたいです。
ですから、私のピアスのようにカットグレードが良くないダイヤモンドは、より一層枠の影響を受けると言うか、枠が変われば外観の見え方も随分変わるという事になるのでしょう。
これが、モヤモヤポイントの2に書いていた「なぜかわからないけど耳たぶに着けると全く輝かない」という点の原因と、知らんうちに跡形もなく原因が消滅していたと言う出来事です。
耳たぶにピアスをつけてみたら、キラッキラできゅらんきゅらん、白く大きく光り輝く!
石枠がしっかりしていて爪の高さもあるので、耳たぶの上に乗せた時の存在感が今までとは全く違います。
そして、うっかり手が触れたりヘアオイルが付いても、少々油がついたくらいでは輝きが衰えません!
アアアアア!!!
私はこれが欲しかったんだよおおおおおああああ!!!!
やっと手に入れた、上質な一粒ダイヤモンドのピアスです。
こちらの動画の撮影環境は、自然光が柔らかく入るリビングです。
弱い光の中でも、パステルカラーの虹色がきゅるんきゅるんなのがお分かり頂けますでしょうか。
大抵の髪型の方はピアスの装着時に髪の毛で影になりますから、弱い光でも強く輝くようなダイヤモンドピアスでないと物足りないかも知れません。
逆に言えば、坊主かベリーショートにすれば大抵のダイヤモンドピアスはキラキラと輝くと思いますので、髪型を変えるのも一つの方法です。
本件のピアスの4Cを公開
一般的にはダイヤモンドジュエリーの輝きを語る上で絶対に必要な情報でしょうから、本件のピアスに留められたダイヤモンドの4Cをここに記載しておきます。
1.035ct Fカラー I1 VERY GOOD
1.021ct Iカラー I1 FAIR
いかがでしょうか?
特に1.021ctの方は、この内容だけ見たら手が出し難い品質だと思います。
いや、もう片方も手が出し難い品質ですよね。
この二石のダイヤモンドは照りと輝きが十分で、私の耳たぶを輝かせるピアスであれば申し分のないダイヤモンドだと思っています。
私のように狂った蒐集や加工をしがちな人は、シンプルなダイヤピアスほど枠の加工費をけち…安価なもので済ませたくなるものです。
然し今回は、メレで誤魔化しが効かないシンプルなジュエリーほど、枠には少々拘って資金を投入した方が満足度が全然違うという、とっても大切な事を学びました。
とは言えシンプルなダイヤピアスであれば、手作りでも加工費はそこまで高くならないので、今お持ちのダイヤモンドピアスに満足していない方は検討の余地ありだと思います。
お手頃の空枠で加工しても地金や人件費が上がっているので、満足いかずにやり直せばとっても高くつきますし、モヤって箪笥の肥やしにすれば余計に勿体無いですしね。
本日は、大粒ダイヤモンドの手作りピアスについて気ままに掘り下げてみました。
大粒ダイヤモンドをふるふると乗せた耳たぶが、揺れるたびにキラッ、きゅるるんとしている様子を見るのは本当によいものです。
勇気を出して良かった、同じデザインだけど素敵な枠で仕立て直して頂いて良かったと、心から思います。
今回の体験がとても衝撃的だった為、息を吸うように一粒ダイヤペンダントの加工をGOした事は言うまでもなく…。
ペンダントもそろそろ仕上がってくるんじゃないかなぁと、ソワソワしております。
耳たぶがキラッ、ふとした瞬間にきゅるるん、おすすめです。
この度もありがとうございました^^
(おしまい)
おまけ・私が使っている落ちないキャッチはこちら!ピアスのポストは0.9mmにしました^^