
ちょっと前のお話をします。
今年の3月の出来事です。
「ホワイトデーは予算5千円で何か買いたいと思うんだが。」
と唐突に夫より申し出があったので、色々考えた結果、着物に合わせられるヴィンテージの髪飾りをリクエストしました。
その時偶々、いつも中古着物を買っているサイトに沢山の髪飾りがupされていて、櫛一枚 1,000円・櫛と笄のセット 4,000円という品物を発見したのでこちらをお願いしました。
然ァし!!!
このお値段でヴィンテージの漆と螺鈿の髪飾りが購入できると言う事は、ほぼジャンク品という感じになります!!
届いた時には物凄く汚れていて、パーツが幾つもなくなっている感じで、自分で洗浄&修理をする前提での購入でした。
どのくらい汚かったかは写真をご覧下さい。


先ずはこちら、珊瑚と螺鈿の植物模様の漆塗りの櫛です。
飾りの周りにびっしり汚れがこびり付いています。
よく見ると、所々漆が剥がれて薄くなっている箇所があります。
「これ…綺麗にならないんじゃないの…?」
って思いました (爆笑)


お次はこちら、漆塗りの櫛と笄のセット、螺鈿とガラス石でお花が象られています。
こちらも飾りの周りはびっしりと汚れておりまして、赤いガラス石もロスト、漆が剥がれている箇所も多く絶望感でいっぱいでしたwww
これどうしよ…って思いましたが、夫がお小遣いから頑張って買ってくれたお品です。
このままで良いわけはなく、私の手で蘇らせるという選択肢しかありませんので、気合いを入れ直しました。
洗浄していく
古い漆塗りの飾り櫛は水洗いしてはいけない、という情報をみつけました。
なぜかというと、螺鈿などの飾りを貼り付けている接着剤としての漆?が劣化しているから、水洗いすると飾りがバラバラになっちゃうみたいなんですよね。
だが然しそんな事を言ってられないくらい衛生的にダメそうなので、容赦なく水洗いしました。
バラバラになったらまた貼り付けたら宜しい、そんな大らかな気持ちでドンドン洗っていきます。
具体的には、ぬるま湯を張った洗面器のなかで、食器洗い洗剤と歯ブラシで洗いました。
この方法がヴィンテージの飾り櫛を洗う手法として正しいのかは分かりません。
ただ、衛生的には正しいはずです。絶対にw
洗って行くとパーツがポロポロ取れてきます。
その取れたパーツは都度救出し、大切に取っておきました。
しっかり洗うとさっぱり綺麗になりました。
ここから修復作業に移ります。
修復していく
古い飾り櫛を修復して行く為には、専門家の情報を頼りに進めて行くのが一番だと思いました。
然しネット上で集められる情報は素人向けの物は皆無で、職人さんがお仕事の一部を公開して下さっているタイプの情報でしたから、私が見よう見まねで真似するのは無理だな〜という感じでした。
そんなわけで、素人でもやれるレベルのナンチャッテ修復で進める事にしました。
パーツ欠損を修復
所々のパーツが欠損しているのですが、無いとおかしな部分だけは何とかした方が良いなと思いました。
然し、ヴィンテージのガラス石やら、スライスした珊瑚やら、現代で手に入れるのは困難な物ばかりです。
でも私は素人、ナンチャッテ修復でOKなので、それっぽい似たような素材で修復して行く事にしました。

ヴィンテージのガラス石では手に入りませんが、スワロフスキーのガラスパーツなら入手可能です。
時代は違いますが、そっくりな色合いのパーツを見つけました。
並べて見ると本当にそっくりです。

パーツを接着するにあたり、DAISOで購入したプライマー(下地剤)と、画材屋さんで購入したメディウムを使用する事にしました。
プライマーは、アクリル絵の具などの食いつきを良くする下地剤で、シルバニアの家やアイテムを塗る時に使うかなと思って買ってあったやつです。
メディウムはコラージュなどの美術作品を作る時に使う画材で、キャンバス(布)に紙やプラスチックや金属をしっかり貼り付ける為に使う様なやつです。
この二つを使えば、漆塗りの木櫛の上にパーツを貼り付けても剥がれて来ないんじゃないかなーという適当な感じで決めました。

適当なキャップに少量取って、爪楊枝や綿棒でチョンチョンって塗って行きます。
プライマーはごく少量で大丈夫です。
プライマーが乾いてからメディウムを塗って行きますが、はみ出た物は綿棒などで拭き取ります。
はみ出たところがあると使っているうちに汚くなってしまうので注意です。


欠損していた部分に、スワロフスキーを嵌め込んでみました。
違和感がないですね。
ここで疑問に思ったのは、なぜヴィンテージの櫛にガラスの石がハマっていたのか?です。
調べたところによると、大正時代の近辺に、欧米で流行っていたラインストーンが日本に入ってきたようなのです。
最先端?の素材だったラインストーンは、当時の乙女達が憧れた高級髪飾りに使われたという事なのでしょうか〜。



お次はこちら、金箔?みたいな極小のパーツがなくなっている事に気づいてしまいました。
こういうのは気づいてしまうと気になるものです。
然し、現代で揃えられる材料で何とかするなら、金色の折り紙やスパンコールを切って貼り付ける?とかでしょうか?
凄く面倒くさいなと思ってしまい悩みましたが…。
ええい!!
アクリル絵の具で塗ってしまえい!!
いう勢いになりまして、色味がそっくりなアクリル絵の具でチョンッとしましたwwwww
ナンチャッテ修復なのでこれで十分です。


いかがでしょうか?
ガラス石の櫛と笄のセットはだいぶ綺麗になりました。
お次は珊瑚の櫛の修復です。

こちらの櫛の方が汚れも損傷も酷く、よーく洗っていたらパーツがだいぶ取れてしまいました。
剥がれた螺鈿のところにプライマーを塗って、乾いたらメディウムで貼り付けて行きます。

すると、一つサンゴが取れて紛失している事に気づきます。
汚れている時の写真ではついてたので、単純に私が無くしてしまったという事です。
これ、どうしよう???
珊瑚のパーツを新たに作るのは難しい、いや、作れば良いじゃん??


そう、無いものは作れば良いのです。
似たようなサイズのガラスパールを買ってきて引っ付けてしまいました。
然しガラスパールは白いのです。
貴和製作所の店員さんに聞いたけど、珊瑚のようなピンク色のは無いって言われてしまいました。

ならば塗れば宜しい…!!
という事で、アクリル絵の具で似たような色を作って行きます。
パレットを出すのはめんどくさいのでラップです。
よく見たら他の珊瑚も色褪せていたりして、チョンッってやりたくなりました。


いかがでしょうか?
塗り立てなので塗った部分がだいぶ鮮やかに見えますが、乾いてくるとマットになって彩度が下がり落ち着いて見えてきます。
凄く小さな部分なので、遠目から見たらもう、全然気にならないレベルになりました。
乾いて色が落ち着いたのを確認したら、保護と艶出しも兼ねて、マニキュアのクリアカラーをチョンっと塗りました。
漆風の塗料を塗っていく
漆塗りの部分に剥がれがありましたので、補強?になるかもって感じで漆風の塗料を塗ってみました。
その名も工芸うるしと言います。
こちら、名前がうるしとありますが、成分はペンキやアクリル絵の具に近いものなんじゃないかなと思います。
つまり漆塗りの上に漆じゃない物を塗って行きました。
本来はこんな事してはいけない?と思うのですが、ナンチャッテ修復なので問題ないです。
工芸うるしとはなんぞや↓



工芸うるしを塗って乾かした感じです。
笄の方は螺鈿が剥がれて木が剥き出しになっていたので、工芸うるしを塗って誤魔化しました。
まあまあ、ナンチャッテ修復なので十分かなと思います。
仕上がりの写真
ちょっとコレはもうダメかな?って感じのお品でしたが、清潔感や美しさを併せ持つ、私が使うなら十分な仕上がりになりました。
写真をご覧ください。
頑張ったから見てほしいです(笑)



めっちゃ可愛くなりました。
ガラスパールのナンチャッテ珊瑚はいかがでしょうか!?
パッと見全然分からないですよね?
でも横から見たら一個だけデカい珊瑚らしきものが付いていますwwww




こちらもめっちゃ立派に、可愛くなりました!
ナンチャッテ素人修復にしては違和感なく、良い感じの仕上がりです。
スワロフスキーなので、新しくしたガラス石はちょっと輝きが良いです(笑)

本日は、ホワイトデーに夫から貰ったヴィンテージの櫛と螺鈿を修復したお話でした。
ちょっとマジでどうしようかだいぶ戸惑いましたが、結果的に良い感じになって良かったです。
作業としてはあまり難しくないし、修復に使う材料もネットで買える物ばかりなので、直して使いたい螺鈿の櫛笄がおありの方は是非チャレンジしてみてくださいな〜^^
(おしまい)
【ネットで買える材料】
ダイソーにプライマーが無かったらこれが良いよ↓
私が使ったメディウムは売ってなかったけどこれも使えます↓
金色のチョンってやつ↓
工芸うるし↓