と!
いう事で本記事は、
アンティークのダイヤ時計が可愛くて気になって仕方がないけど、なんだか心理的ハードルが高くて踏み出せないよォ…!
って方のための、私なりのガイドのようなものを纏めてみようかしら〜という回です^^
アンティークのダイヤ時計が気になっている全ての方たちへ、少しでもヒントになれば幸いです。
本記事は16,000字以上ありますので、お時間ある際にゆっくりとどうぞ…!
アンティーク時計の使用上の注意点
まず初めに、やっぱりここは申し上げておかなければならないので書いておきます。
アンティーク時計についての書籍やブログには必ずと言っても書かれている注意点と、プラスアルファの注意点をご紹介しましょう。
1. 防水性はゼロなので水濡れは禁忌
これはやはり現代の時計と同じ扱い方だとあっという間に水没させてしまいますので、手洗いなどは細心の注意を払いましょう。
私の場合は、手首の上まで時計をずらして手洗いするようにしています。そして、皿洗いの時は必ず外すようにしています。
雨の日は、時計に雨が当たりそうな場合は時計をつけないか、一時的に外しておけるように保管箱をハンドバッグに忍ばせています。
もし、どっぷり水に浸けてしまったとか、洗濯機で回してしまったとかの最悪の事態が起こってしまったら、絶対に時計を巻かずにそのまま速攻で修理店へ持って行って下さい。
2.衝撃と磁気は禁忌
衝撃は絶対ダメ、って言うのはなんとなく分かると思うのですが、磁気帯びについて少し説明します。
この磁気帯びって言うのは、新品の時計であっても禁忌でして、要は磁石や電磁波的な物とくっつくと時計が狂うって現象です。
具体的には、うっかり冷蔵庫やビデオデッキの上に時計を置いてしまったり、バッグ内で携帯電話と時計が密着しちゃったり、バッグのマグネットホックに時計が密着しちゃったりすると磁気帯びしてしまいます。
磁気帯びって修理代も結構高いし、現代の時計でも気をつけなくちゃいけないのですが、アンティーク時計は現代の時計より磁気帯びしやすいそうです。
3.冬の装いは時計との相性に注意
これ、アンティークのダイヤ時計ならではなのですが、アンティークのダイヤ時計は小さな爪で沢山のダイヤモンドを留めてありますから、コートの袖やセーターの袖に引っかかりお互いを傷つける事があります。
コートの袖口は毛玉だらけになりますし、時計側は爪が劣化していたら石落ちの原因になりかねません。
私はどうしているかと言うと、引っかかりにくい素材のアームウォーマーで時計を完全に隠してしまっています。
4.ジェルネイルで厚み出しした爪は小さな竜頭と相性が悪いかも?
これもアンティークのカクテルウォッチならではだと思うのですが、アンティークのカクテルウォッチは100%機械式、しかも手巻き式の時計という事になります。
詰まり、一日の始まりに自分の手でネジを巻いてあげる必要があるんですね。
その操作は、人差し指の側面と親指の腹を使って竜頭を巻き上げ、巻き上がったら竜頭を引っ張り時刻合わせをします。
この、竜頭を引っ張る動作が、ジェルネイルで厚みを出した爪だとやり辛く感じるかもしれません。
特に、竜頭は消耗部品なので必ず劣化しますから、劣化していた場合に慌てて操作したらポキっと行ってしまう場合もございます。
ジェルネイルをしていてやり辛い場合は、特に意識して慌てずゆっくり操作すると良さそうです。
以上4点が注意点でした。
こう書いてみると、注意点は幾つかあれど、よく考えたら現代の時計でも衝撃や磁気帯はNGだし、ポイントを押さえながら優しく使ってあげれば、アンティークの時計であっても怖がらず日常使いができる事がお分かりになるかなと思います^^
アンティークのダイヤ時計をどこで買うか??
では本題に入ります。
「アンティーク時計可愛い!しかもダイヤ時計可愛い!ハイブランドの時計ほど高くはない!でもどこで買えばいいのか見当もつかない!」
こんな風に思われている方が多数いらっしゃると思うので、具体的に専門店を紹介してみようかなと思います。
専門店で買うよりもノーメンテで購入する方が圧倒的に初期費用が安いのですが、問題はそのあと…
私のコミュニティの中でも、ノーメンテのアンティーク時計を購入後に高額な修理が発生し、その後めっちゃ困った…という事態がありましたので、よっぽどの理由がなければアンティーク時計をノーメンテで買う事はお勧めできないんですよね。
この友人の話は掲載許可を得ているので後述しようと思います。
という感じで、今回はお勧めできるお店を紹介しようと思うのですが…
私が利用したお店や、私が働いていたお店を紹介できれば一番なんだけど、
ノーメンテばっかり買っていて専門店で買ったことが殆どないことや、働いていたお店はアンティークのダイヤ時計の扱いをやめちゃったみたいなので紹介できず…。
ここは先程申し上げた私のコミュニティの中で、専門店でお買い物した友達の感想を何件かヒアリングしておりまして、クセがなくてアフターサービスもしっかりしているお店を紹介しようかなと思います。
クセがなく、ってのは本当にややこしいんですが、アンティーク時計専門店でもお店によって考え方がまちまちで、初心者さんがトラブルに遭った際に可成り戸惑うような対応のお店も多いです。
アンティーク時計の性質やアンティーク時計の専門店を色々知ってると、まあしょうがないかナーと思えるレベルの話なのですが、そういう前情報がないと受け入れ難い事も多いみたいです。
なのでここからは、初心者さんがお買い物しやすい専門店を、西と東で一つづつお勧めしてみましょうというセクションでございます。
関西の専門店・MIGPARISさん
関西のアンティーク時計専門店でのお勧めは、ミグパリさんです。
お店があるのは兵庫県芦屋市…いつか店舗にお邪魔してみたいお店です。
こちらは私の友人がお買い物&持ち込みでの修理でお世話になったとの事、その際の対応が凄く良かったと聞いているのでノミネートしました。
友人が購入したダイヤ時計については、外装をかなり綺麗に仕上げして販売されているとの事で、初心者さんにも楽しめるお品を扱っておられると思います。
基本的には文字盤も綺麗にして、外装はロジウムメッキを掛け直しているみたいなので、新品のように美しい時計ばかりのようです。
逆にアンティーク時計を見慣れていて、少しロジウムが落ちていたり、文字盤にヤケやシミなどのダメージがある方が好みの方には物足りないかもしれません。
神戸まで行ける方にとっては、実物をしっかりみてから購入を決められますし、操作方法やブレスレットのサイズ感も相談しながら決められるのも良いですよね。
店舗への訪問は事前連絡制との事です。
お電話かメールでご連絡の上で遊びに行かれて下さい^^
通常使用による保証は一年間の無料保証がついているそうです。
東京の専門店・ベティーロードさん
20年も前に発行された時計雑誌でも名前を見かけます。
まずお勧めな点は、圧倒的な数のアンティークのダイヤ時計を気軽に見る事ができる点です。
訪問に予約は不要なので、会社帰りにふらっと見に行けるような気軽さがあります。
全ての時計はショーケースに飾られているので、試着の段階まではスタッフさんに声を掛けずとも時計を眺める事ができます。
私の友人がこちらでアンティークのダイヤ時計を購入したのですが、クセがなく快適にお買い物ができたと言っております。
敢えてデメリットを挙げるなら、場所柄土日はめちゃくちゃ混むので、順番待ちの必要が出てくる事でしょうか。
場所は中野ブロードウェイ、まんだらけ買取カウンターの隣の店舗になります。
このフロアはまんだらけの買取カウンターが混んでいてお客さんも多いですし、ベティロードさんでは、お買い物をする方と時計を売却される方でめちゃくちゃ混んでいるとお考えください。
私がアンティーク時計を検討中だった時は、なるべく平日の夕方に行くようにしていました。
こちらも通常使用による保証期間は一年との事です。※一部対象外あり
専門店であればどこで買っても良いのか?
私はこの問いに対して、明確にNOと答えます。
というのは、私が一度失敗したからなのです(笑)
私が購入を失敗したのは、インターネットで通販しているタイプの、店舗を持たないお店だったのですが、お店の雰囲気はいかにもレディースアンティーク時計の専門店という感じでした。
然し私が購入を検討していた時計はOHなどのメンテナンスはしていないとの事…。
この時点で警戒すれば良かったのですが、全てのアンティーク時計専門店が自分のお店の全ての時計をOHして販売しているわけではありません。
ですので、
「OHはしていないのかぁー。」
程度の軽い認識で購入してしまって…。
届いたその日に巻き上げランニングテストをしましたら、時刻が1時間も遅れる事に気づきました。
慌ててお店の保証期間を確認しますと、商品到着後三日間しか保証しないとの事…!
三日って!?
カレンダーを見ますと、その日はちょうど三日目、良かったセーフだぁと思いお店に連絡しましたら、
「保証外です。有料でOH致します。」
との事でした…。
えっ、じゃあ何なら保証をするんだろうか…然も保証期間3日って…???
これって最初から保証する気はないんだな…と、そのお店でOHする事自体が心配になっちゃったので、いつも頼んでいる時計修理店に預けました。
修理店で中を見てもらうと完全に油が切れている事がわかり、詳しく調べたところ、精度が出ない事は明らかでした。
私が購入する時、OHはしていないけど調子よく動いていると説明を受けたのはなんだったのだろう…これもアンティークだから仕方がないと受け入れるべきことなのか…などと頭を抱えました。
私の場合、こういうことが起きても頼れる技師がおりますし、あくまでも専門店としてではなく個人の人からノーメンテで買ったと思えば良いのですが…。
でもそれにしてもノーメンテで買うよりは価格的には倍高かったし、修理代も余計にかかりましたから非常に残念でした。
矢張り専門店でも、
(1)基本的にOHなどのメンテナンスがされていて
(2)販売前にきちんと精度チェックをしており
(3)少なくとも保証期間が一年はあるところ
このような専門店で購入する事を強くお勧め致します。
購入価格が高い上に、購入後すぐに修理代が発生するとか…
私のブログの読者さんに経験してほしくはありません(涙)
購入後直ぐに修理代が発生するなら、ノーメンテで購入するリスクと殆ど変わりませんからね…。高いし…。
どこまでが保証されるの?
これがね…結構お店によりマチマチみたいです。
ですが、ちゃんとした技師がOHしたアンティーク時計が購入後直ぐに時計としての役割を果たせない、詰まり時間が合わないとかで使い物にならんという事にはならないと思います。
稀に、機械のクセで通常通りの使い方ではうまく行かないものがあるのですが、それはちゃんとした技師がチェックすれば大方わかる事ですので、購入時にしっかり説明があると思います。
例えば私がノーメンテで英国から購入した時計は、純正ではないパーツが組み込まれている事が判明し、手首につけていたら問題ないが机に平置きしておくと1時間とか平気で時刻が進む事が分かりました。
これはバラさなくても分かったので、大抵の事であればバラしてOHすれば分かるんじゃないかなぁと思います。
ですから、専門店が依頼している技師の腕が良い事、そして専門店が良心的というかデメリットを隠すような姿勢ではないという事の両方がとても大事なんじゃないかなと思います。
それでもアンティーク、お店も技師も予想できなかったトラブルが発生した時に…どのような対応をされるのか、その考え方にはお店によって可成りの差があります。
この点も加味して、老舗である事で様々な知識が豊富であったり、万が一のトラブルがあった際に誠意ある対応をしてくださった、という情報があるお店を私は推したいのです。
老舗であっても経営者が代わり、内部の状況が丸ごと変わってしまったお店もあります。
そういうお店のネガティブな情報はクチコミを探してみるとあっさり書いてあったりするので、時計の購入を考えているお店の口コミを端から端まで読んでみてから決めるのは得策と言えるでしょう。
外装は保証されない
これはアンティーク時計に限らず、現行品であっても外装は保証されません。
時計のケース、風防、ブレスレット、竜頭…これら全てが外装です。
そう、風防に傷が入った、ブレスレットが切れた、竜頭が取れた、というのは保証内容に入らない事が殆どだそうです。
アンティーク時計はパーツが劣化している事が多々あるので、ブレスレットのコマを繋ぐパーツが伸びちゃって切れやすくなっていたり、竜頭が劣化していて折れやすくなっていたりは良くある事です。
ですが竜頭は…接着不良などで折れる事もあり…それは無料で修理になる場合もあるみたいで…そういうのは技師の見落としとして無料修理を申し出るケースの方が多いと聞きました。
この辺も、お店や技師の考え方のスタンスによって対応の仕方が分かれるところだと思います。
アンティーク時計を購入する為に、注意して見ておくと良いポイント
こちらはInstagramのフォロワーさんよりリクエスト頂いた項目です^^
Rさんリクエストありがとう!
アンティーク時計を購入する際のチェックポイントのようなものがあれば〜との事ですが、
上記に記したように、基本的にはちゃんとしたお店が扱う商品であればどれを買っても問題ないと思います。
ただその中でも時計それぞれの特性というか、そういうのは多少あるので、私が知っている限りのことはまとめてみようかなと思います。
とは言え私もそこまで詳しくはないので、私が知っている事のみの羅列になる事をお許しください。
1.古すぎる時計は壊れやすい
当たり前な話なのですが、余りにも古すぎる年代の時計は、気をつけていても普段使いするのには向かないと聞きます。
具体的には1920年とか1930年のアールデコの時計…アールデコって外装は美しいしマリリンモンローがつけていた時計と似ていて、マリリンとお揃いっぽくてめっちゃ惹かれるのですが、私は購入を避けています。
私はアンティーク時計を普段使い用の時計として蒐集しているので避けていますが、観賞用としてだったり、ドレスアップの時だけつけるためであればアリだと思います。但し、取り扱いには十分注意して…。
私の友人が購入したのは、アールデコの時計で中身が比較的最近のムーブメントに載せ替えがされている時計でした。
こういう物であれば取り扱いはそこまで難しくないので、上で挙げたような通常の取り扱いで良いから普段使いもしやすいと思います。
ただ、時計のオリジナル性を求める方には向かないかも知れません。
2.初心者さんには耐震装置付きのムーブメントの方が安心
ある時を境に、耐震装置という素晴らしいアイテムがついたムーブメントが現れます。
耐震装置の開発自体は1930年代半ばですが、1940年代からボチボチ実装され…
でも女性用のカクテルウォッチで当たり前に耐震装置がついてくるのは1950年頃っぽい感じです。
この耐震装置がついていると、小さな衝撃で天真という極小の部品が折れてしまう可能性が低くなります。
天真が折れると時計の調子が悪くなり(いや動かなくなり)修理行きになりますが、天真という部品は高価だそうです。
というのも、天真が折れて修理となるケースが本当に多い為、使える部品として存在しているものが少ない事から高額になるのでしょう。
詰まり修理代がめっちゃ高価になるし、部品が見つからなければ修理不可、となります。
なので、耐震装置がない時計は取り扱いに要注意です。
どのくらい注意かというと、硬い机にコトンと時計を置いたら天真が折れたという話を聞いたことがあります。
私は耐震装置がついてない時計も使っていますが、まだ壊した事はありません…まだ…まだね…。
先程書きましたアールデコの時計は1920年代の製造なので耐震装置が発明される前になります。なので勿論耐震装置はついていません。
あっ、耐震装置がついていれば衝撃に強いという話ではありません!
耐震装置がついていてもアンティーク時計は製造から50年以上が経っているので衝撃は禁忌です。あくまでも、小さな衝撃で壊れてしまうリスクが少ない時計という認識をなさってください。
3.ローズゴールドの時計にご注意!
アンティーク時計を画像検索していると時々見かけるのは、14kローズゴールドの時計です。
ローズゴールドというカラーは全体的に華やかさがあり、ルビーが付いているものがあったりしてめちゃくちゃ可愛いんです。私も持ってるヨ^^
このローズゴールドの時計は1940年代に一瞬ブームがあったみたいでこの年代のものばかり見かけますが、数が少ないらしく比較的高値で取引されてるっぽいです。
海外のフリマサイトみたいなのでも、ノーブランドであっても高値がついているので今も人気があるということでしょう。
これは私達日本人がピンクゴールドと呼ぶゴールドカラーですが、このゴールドは現代の日本のピンクゴールドとは割金の配合が違うみたいでオレンジが可成り強いです。
これは何に注意かというと、パーソナルカラーがイエローベースの人にはびっくりするほど似合わないという点です。
私が持っているローズゴールドの時計を友達数人が試着した事があります。
パーソナルカラーがイエベ春の友達が着けたら悪い意味で凄くおもちゃっぽい印象に見えました。
そしてパーソナルカラーがイエベ秋の友達が着けたら時計の色と肌の色が両方とも激しく燻む感じで…。
満場一致でイエベは手を出さない方が良いね、という結論になりました(笑)
尚、私はブルベ冬、もう一人の友人はブルベ夏なのですが、ブルベの二人は問題なく似合いましたので不思議な感じです。
また、別の友人はローズゴールドの時計にブラウンやゴールドの紐ブレスを合わせていて、この組み合わせであればイエベさんにもイケるのかな…と、ふと思いましたが、自分ではまだ確かめていません。
このブログの読者さんで、イエベだけどローズゴールドの時計が欲しいという方がいらっしゃいましたら、お店でブラウン系の紐ブレスの取り扱いがあるか聞いてみるか、自分で紐を持参して合わせてみるかを試しても良いと思います。
尚、繰り返しになりますが、ローズゴールドの時計は1940年代のお品になりますから、耐震装置が付いていない時計と思っておけばガックリしないでしょう。
耐震装置の有無についてはお店に聞いたらわかる事なので聞いてみるのが一番ですけどね。
また、同じローズゴールドでも外装を英国で作られた9金の時計は事情が違います。
こちらは、同じローズゴールドという表記でもダスティーローズという雰囲気でくすみ系ピンクゴールド、これがまた面白い事に全ての友人に似合いました。
このくすみ系ピンクゴールドはさりげない雰囲気がありながら、なんかお洒落でいいんですよね。
これはあくまで私のアンティーク時計好きの友達との間の出来事なので、全ての方に似合うかは不明なのですが、一つの情報として記しておきます。
4.金無垢ブレスレットのコマが伸びちゃってるやつは将来修理した方が安心かも?
金無垢ブレスレットでよくある劣化なのですが、金属の劣化というか、引っ張られる事でブレスレットが伸びるんです。
どういう事かというとコレです↓
コマとコマの間に隙間があるでしょう?
コマとコマを繋ぐパーツが伸びちゃっているんです。
このまま時計をヘビロテすると、ブレスレットが切れる日が来ます。
ただ、このコマは裏返すとこんな風になっていて、二つのマルカンみたいなパーツで繋がっているので、二ついっぺんに切れる可能性は少ないかも知れません。
ですから、片方のパーツが完全に切れてしまった時に修理に出せば時計を失ってしまう事はないかと思います。
私はというと、この時計はヘビロテするのをやめています。
内部の油が切れているようだし、コマも伸びてるから、使用頻度を下げて大切に使っております。
OHのタイミングが来たらブレスレットの修理もしようかなぁ〜って思っているのです。
こういう時計を購入したい場合は、ブレスレットが切れた時の修理はいくらくらいになるかを予め聞いてみて許容範囲であれば購入に踏み切ると良いかも知れませんね。
5.落下防止チェーンがついてない時計を買うなら絶対後付けして!!!
これね!!!
これは絶対やった方が良いと思います。
落下防止チェーンってコレの事です。
このチェーン、付いているかどうかで時計を失くすリスクがグッと減ります。
ダイヤモンドのテニスブレスなんかにも着けるのですが、このチェーンが付いてなかった事でテニスブレスを失くした話と、このチェーンが付いていたからテニスブレスを失くさず済んだ話を聞いた事があります。
悪い事言わないから購入時につけましょう、マジで。
私は一本だけチェーンをつける前の時計を持っているのですが、使用するのは結構ヒヤヒヤで、しょっちゅう気にしてます。
というのも、稀に着用中に金具がパカってしてる事があるのですよ…怖い。
この時計も、OHに出すタイミングでチェーンを付ける予定です。
尚、このチェーンがあれば時計の装着が少し楽になるんですよ。
手首にチェーンが引っかかって固定されるから着けやすいのです。
6. 紐ブレスレットが付いてる時計は自分で着せ替えも可能です
アンティークのダイヤ時計で良く見かけるのが紐ブレスレットがついた時計ですよね。
当時はお店に並ぶカクテルウォッチはほぼ全てが黒紐がついていて(時代によっては白っぽいグレーの紐)メタルブレスレットや金無垢ブレスレットにオプションで付け替えができるシステムでした。
ですので、黒紐タイプを買えば、手芸店で自分で調達した白っぽいグレー紐やブラウン紐に着せ替えることや、デッドストックのメタルブレスレットや現行品のメタルブレスレットに着せ替えることができます。
デッドストックのメタルブレスレットは自分で探すのが大変だし、時計に取り付けられる形状かどうかの判断もあるので専門店に相談してみるのが良いでしょう。
デッドストックのブレスレットは安価とは言えないので、失敗なく選びたいですよね。
現行品のメタルブレスレットは楽天で比較的安価で手に入ります。
私はこのブレスレットをひとつ購入した事があるのですが、取り付けは簡単でした。
サイズに関しては、取り付け後最大で手首周り18cmくらいになったので、大き過ぎるところをペンチでバチっと切断して金具を戻すだけでOKです。
ただ、稀にブレスレット取り付け部分の穴が異様に小さい個体もありますので、心配な方は量販店に行かれて下さい。
私が聞いたところによると、ビックカメラでも同じブレスレットの取り扱いがありました。
ビックカメラの時計コーナーには時計技師が居るので、ブレスレットが取り付け可能かどうか判断してから発注してくれますし、ブレスレットを取り寄せ後は取り付けまでやってくれると思います。
このように、紐タイプのアンティークのダイヤ時計は、ブレスレットを色んなタイプに付け替えて楽しむことができるので、色んな着せ替えができる事を想定して購入を決められるのも楽しいと思います^^
※逆にブレスレットまで金無垢タイプは、ケースとブレスレットの接続部分がロウ付けされてしまってブレスレットが外せないタイプがあります。これは着せ替えられません。
7. 裏蓋を開けない!!
これは時計を購入する時のチェックポイントではなく購入後の注意点なのですが、自分で裏蓋を開ける行為は禁忌です。
これ、ジュエリー好きのみなさんならウッカリやりそうな気もするので書いておこうと思いました。
裏蓋を開けてしまうと精度が変わってしまう事があるそうです。
また、ダイヤモンドが汚れたからといって、ケースから時計を外して洗浄するのはもっと危ないです。
時計の中に湿気が籠るとムーブメントが錆びます。
自分で超音波洗浄などに掛けて水分を拭いてすぐムーブメントをケースに戻す行為で、見えない湿気が入り込みます。
また、ムーブメントを外している時に埃などが入り込んだり、机から落っことしたり…。
悪いことを言わないから裏蓋を開けるのはマジでやめましょう。
私自身も、OHが済んだ時計の裏蓋を自分で開ける事は一切ありません。
稀にノーメンテで買った時計が汚な過ぎて、そもそも精度が出てないものは爪を引っ掛けて開くなら洗浄する事がありますが、その際もムーブメント専用ケースに一時保管して、洗ったケースはよく乾かすようにしています。
くれぐれも、整備が済んだ時計の裏蓋を自分で開けない事です。
8.好みにドンピシャな時計を買う
最後はもうこれ、コレに尽きるんです…!
多少使いづらそうなムーブメントでも、多少気持ちに不安があっても、多少に合わないかも知れなくても、チェーンを後付けする費用が掛かっても…
その時計に惚れ込んでいて、何としてでもその時計と日常を共にしたくて、ちょっとの事なら乗り越えられるわ…!
という恋愛にも似た強い気持ちがあれば…私ならその時計を迎えるでしょう。
何故私が耐震装置なしのローズゴールドや落下防止チェーンがついてない時計を所有しているのか、が全てを物語っているでしょう。
購入した時計を愛し抜けるのか?
その答えがYESであれば、貴方がアンティーク時計と共に過ごす毎日は、かけがえのない素晴らしいものになるでしょう^^
以上8点が、アンティーク時計を購入する為に注意すると良さそうなポイントでした。
何かもっともっとある気がするし、まだそこまで詳しくないので、全てのポイントを押さえられているかは不明ではありますが、この8件は頭の片隅に置いておいても損はないかも知れません?
ノーメンテのアンティークダイヤ時計に惚れてしまったら…?
本記事で、ノーメンテのアンティーク時計を買うリスクを長々と説明しておりますが、こんなケースもあるかと思います。
フリマサイトで、オークションで、出会った時計に惚れ込んでしまった…。
ダメだと分かっていたのに好きになってしまった…。
この場合はどうすれば良いか、私なら買う方向で検討していきますが、それにも幾つかのチェックポイントがあります。
絶対に人に勧められない買い方ですが、時にはこんなケースもあるかと思いますので書いてみましょうか。
こちらもリクエストを頂きました^^
hさんありがとう!
1. 個人の方から購入する場合でも、OH済みとあるものは少し安心。
たまに見かけるOH済みという表記、これは全くのノーメンテではなく出品前に修理店でOHをしてから出してるよ、って意味です。
ただこれも技師の技術力には差がありますから、どんな修理をしているかはまちまちと思っておくとガッカリしなくて済むと思われます。
でも全くのノーメンテで購入するより何倍もマシなので、気に入った時計がOH済みで予算内なら、私なら買うかも知れません。
2. 商品説明に不動と書いてある場合、外装が綺麗すぎる時計は怪しいらしい
そう、怪しいらしい…。
というのは、ムーブメントが錆び錆びの酷いものを、敢えて文字盤をリダン(塗り替え)して外装も磨き、ロジウムメッキを掛け直ししてピッカピカで販売されているケースがあると聞いています。
外装がピッカピカなら、不動であっても買う人いるかも知れないじゃないですか?
そういう考えで敢えてピッカピカにする業者が実際に存在するらしいです。
勿論そういう時計は修理代がめちゃくちゃかかります。
錆びを取ったり部品を交換したり、幾つもの修理が発生します。
ムーブメントを丸ごと取り替えちゃえば良いんだけど、そんな都合よくムーブメントを入手できないのがアンティーク…。
なので私なら、不動なのに何故か外装がめちゃくちゃ綺麗なのは避けると思います。
3.逆に文字盤がちょっと汚めなのは候補に入れる事がある
レディースのアンティーク時計、カクテルウォッチと呼ばれる時計って文字盤がめっちゃくちゃ小さいじゃないですか?
なので、多少の汚れは肉眼で目立たない事が殆どです。
もし使用する上で目立ってきたら、文字盤をリダン(塗り替え)したら良いので、多少の汚れは気にしません。
逆に言えばリダンして販売されているような綺麗な時計はお値段が高いので、ノーメンテでリスクを負いつつ買うメリットが低いように感じるんですよね。
でもでも、私の個人的な趣味で、ちょっと文字盤が劣化していて外装のロジウムメッキが自然とハゲて来てる雰囲気が好きだから、ここが許容出来るのかも知れません。
この辺はお好みでどうぞ^^
4. 不動の時計はやめとく
これは今まで書いてきたお話に繋がるのですが、全く動かないってどういう可能性が考えられるのかを予想してください。
可能性で言えば天真折れ、水没による錆び等…修理代が高額になる可能性が考えられるんですよね。
なので、よっっぽどデザインが気にいっているとかじゃない限りは、私はやめときます。
前回の記事でティファニーの時計を買ったお話を書いたのですが、あれは不動と聞いても尚欲しくて購入しました。
前回の記事↓
記事内でも書いたのですが、ムーブメントを丸ごと取り替えしても安いかもって思ったのと、ムーブメントやパーツが見つからなくても見つかるまで探しまくる覚悟があったのと、デザインが気に入ってしまったので踏み切りました。
ここまでの熱意がない場合は手を出してはならないのが、不動の時計です。
動くけど止まるとか、動くけど時間が合わないとか、そういう時計であれば修理代がそこまで跳ね上がらない&修理不可とはならない可能性は高いです。
あくまでそれも可能性ですけどね…。
5. 仮に修理代が10万円掛かっても欲しいか?を買っても良いかどうかの物差しにしている
これはめちゃくちゃアバウトな物差しなんですが、私の場合は修理代が10万円追加で掛かっても欲しいか?を「買っても良いか?」の基準にしています。
それは10万円余分に掛かっても欲しいと思える程その時計に惚れ込んでいるかどうかもだし、価格的にも10万プラスしても予算内なのか?これらを基準として見ているという事です。
因みに、10万円と言うのは私が適当に弾き出した金額なので特に根拠はありません。
街の時計修理店ならOHの相場は2〜3万円なので、その3倍は掛かったら…みたいな感じで10万円を基準にしている感じです。あくまで私の場合の適当な基準と思って下さいね^^
アンティーク時計専門店でダイヤ時計を買うと、
紐ブレスのタイプで15万円以上
金無垢ブレスのタイプで35万以上
という相場観ですから、それとも良く比べて下さい。
例えば、紐ブレスレットでノーメンテの時計が12万円だったら、修理代に10万円掛かったら22万円、これなら専門店で買う方が安いし安心です。
金無垢ブレスレットでノーメンテの時計が30万円だったら、修理代に10万円掛かったら40万円、専門店の方が安いし安心です。
※この相場はメーカーによって違いますので、オメガ・ロレックス・ティファニーなどはもっと相場は上がります。ご自身が狙っている時計の相場をリサーチしてみて下さい。
それでもその時計に惚れ込んでいる、それでも強く欲しいと思えるのなら、欲しい気持ちは本物でしょう。
実際、修理代が10万円も掛かることって殆ど無いというか、私はそこまでの高額修理は未経験なのですが、そんなに掛かるならよっぽど内部のダメージが酷いとか、ムーブメントが変なものだったから丸ごと交換とか、そう言うレベルなのだと思います。
だけどそんな事態がないとは言い切れないのがアンティーク時計なので、起こり得るリスクとして予想して見積もっておくとビックリしないでしょう。
時計購入代金がノーメンテだから安くても、修理代が10万円余分に掛かるかも知れない覚悟で、自己責任で買うのがノーメンテのアンティーク時計を買う、という行為です。
見極める力というより、最悪の事態でもカバーできるか、の方が大事です。
私も依然として、修理代が掛からない時計を見極める力はありません。
ただ、覚悟があるだけです(大爆笑)
6. 信頼できる時計修理店を幾つか目星をつけておく
ノーメンテでアンティークのダイヤ時計を買うならコレはマストです。
購入後すぐに修理が発生すると考えて間違いありません。
私もノーメンテで購入した時計ほぼ全て、購入後すぐに修理の必要が出たのでコツコツ技師に預けています。
尚、レディースのダイヤ時計の修理は断られることが多いです。
単純にメンズの時計より部品がめっちゃ小さいので、修理し慣れていないと怖いんですって。そりゃそうですよね。
そして、金無垢のケースはステンレスのケースより柔らかいので…扱いに慣れている技師でないと…なんですよね。
ですので、ちっちゃな金無垢時計の修理をし慣れている時計修理店を見つける事が大切です。
日頃からアンティーク時計専門店の仕事をしている修理店なら間違いないのですが、そういったお店をピンポイントで見つけるのは難しいので自分の足でコツコツ探して見つけるしかありません。
おすすめは小さな規模で昔から経営されている町の時計修理店ですが、そういうお店はやっているのかいないのか外観ではよく分からないので入り難い…ですが、勇気を出して入ってみましょう!
女性のお客さんが機械式時計を持って来る事はかなり珍しいらしいので、お話好きな技師さんなら色々教えてくれるでしょう。
この辺りも相性があると思うので、何軒か回って見ることをおすすめします。一軒で挫けないで!ファイト!
私も、Googleで適当に検索して見つけた地元のお店がたまたま名店でした。
佇まいが古い感じのお店で、最初めちゃくちゃ入りにくかったです。
勇気を出して入ってみたら、もの凄く陽気な素敵なおじさま(技師さん)が対応してくださって、今や私のアンティーク時計の蒐集にはなくてはならない存在の方です。
この修理店を紹介できたら良いのですが、余りにも地元である事と、技師さんがSNSに店名を書かれる事を望んでおられない雰囲気ですので、書くことを控えております。
皆さんの街にも腕の立つ技師がいらっしゃる可能性は大いにありますから、是非探してみてください。
また、アンティーク時計専門店でも持ち込み修理を受け付けてくれている場合があります。
この場合は街の時計修理店よりやや費用が高めですが、アンティーク時計について良く知っている方が修理してくれるでしょうから初心者さんにはハードルが低いと言えます。
もしどうしても技師が見つからない場合はアンティーク時計専門店にお願いすると良い、このように考えておけば心理的ハードルが下がりませんかね^^
って言う6点が、私がノーメンテでアンティーク時計を買う時に気をつけて見ている点です。
勧めないと言っている側からお勧めしているような書き方になっちゃったんだけど、ここからはある友達の話を書きます。
掲載許可を得ているというより、ブログに書いてくれ!と強めに言われたので遂に書く時が来ました!笑
私の友達がノーメンテのアンティークダイヤ時計を買って大変な目に遭った話
私の友達がオークションでアンティークのダイヤ時計を購入しました。
購入先は恐らく時計店…いや業者なのかな…所在が時計店っぽいんだけど…何だかあやふやな感じのアカウントでした。
少なくとも一般の方ではないアカウントからのお買い物です。
購入した時計は、そのブランドとしては価格的に可成り安く、彼女の趣味にピッタリで似合いそうなデザインの金無垢時計でした。
その時計が手元に届いて数日後、時計が止まりました。
ここまでは想定内、前から目星を付けていた時計修理店へ時計を出すと…?
・内部に酷い錆がある事
・沢山の部品を交換する必要があるとの事
この連絡を受けて彼女は凍りつきました。
「修理代は一体幾らかかるのだろう…?」
概算で修理代を出して頂くと、最低でも6万円くらいはかかりそう…との事です。
6万円で済めばまだ予算内で収まった事になります。
勿論これは概算なので6万円なら良い方…。
そうして仕上がって来た修理代は、3万円台で落ち着きました。
思ったより安かった事に安堵した彼女でしたが、問題はここから…。
修理から帰ってきた時計をウキウキで身につけていたところ、文字盤のインデックスが剥がれているのを発見しました。
これは修理店のミスとかではなく、経年劣化です。
詰まり、インデックスの取り付けの為に再度修理に出すことになりました。
このように、次から次へと修理が発生したり、一回の修理がめちゃくちゃ高額になる可能性を孕んでいるのがノーメンテでアンティーク時計を購入するという行為です。
繰り返しになりますが、修理代が高額であっても予算内なのか、または修理代が高額で予算を超えてもその時計が欲しいのか、最悪修理不可でも根気よく部品を探す気があるのか、修理不可でも時計としてではなくブレスレットとして愛せるのか…ここがポイントになると思います。
然しこんな考え方もあります。
これも私の友達の話なのですが、
「私は買った時計が永久に動かなくてもブレスレットとして愛せるものを選んでるからあんまり深く考えてないんだよね、ダイヤモンドが沢山ついてキラッキラのブレスレットにたまたま時計がついてるみたいな感覚なんだ。元々アンティークやヴィンテージのジュエリーが大好きだからそう思えるのもあるかも?」
こんな風に気負わない考え方での蒐集もアリなのですよ。
彼女も自分の足で時計修理店を回り、良い感じの修理店を見つけて楽しんでいますが、まだ修理不可の時計には当たってないようです^^
最後に…
ここまでアンティーク時計についてのネガティブな点を沢山書いたと思うのですが、これだけ一筋縄では行かない時計であっても、この時代・この雰囲気の手巻き時計が大好きです。
アンティークのダイヤ時計は金無垢である事、綺麗なダイヤがたっぷりとあしらわれている事、現代では絶対に作らないような小さな時計に繊細な装飾が施されている事…。
この点は本当に素晴らしく、私の心をいつまでも魅了して離しません。
もしアンティークのダイヤ時計が気になっておられる方がいらっしゃいましたら、信頼できる専門店で一本だけ迎えて見てください。
もし気に入られましたら、一つの時計に負担をかけないようにもう一本…
その先はもう、めくるめくアンティークダイヤ時計の世界にどっぷりでしょう。
以上が、アンティーク時計の世界に飛び込んでみたい貴方に捧ぐ、私からのささやかなヒントでした。
私は20年も前にアンティーク時計に興味を持ち、好きすぎて時計店で働いてみたりしましたが、こんなにどっぷり浸かったのはここ最近…。
ですのでまだまだ知らないことが沢山、日々勉強なのですが、知れば知るほど奥が深くて面白い世界です。
とっても面白くて魅力的なアンティーク時計の魅力が、読者の皆さんに伝わったらいいなあ!
アンティーク時計は…いいぞ!( ◠‿◠ )
(おしまい)