本記事は、ちょっと前に記した記事の続編のような感じでございます。
思い出のロレックスを売却したんだぜーってお話でしたね。
金属アレルギーになり泣く泣く手放したアンティークのロレックス…。
そこまで高額な買取価格にはならなかったものの、なんかキラキラした物を買う足しにはなりそうだなァ〜って金額で手放すことが出来ました。
散々使って楽しんだ時計を手放して、それでちゃんとお金になるんだから、やっぱりアンティーク時計は良いものだなぁと思いました。
しかも今回は、買取業者さんのところで手放した訳ですから尚更ですよね。フリマサイトなどで手放さなかった理由は前回の記事を参照してくださいませ!
さあ、そのお金を使って何を買おうかなあ〜って思っていた私の目の前に飛び込んできたのは、個人売買のサイトでひっそりと光るアンティークのダイヤ時計でした。
個人売買ですので当然出品者さんは個人の方、商品説明もあまり詳しくなくて…。
ただ、圧倒的に価格が安くて、出品者さんによると私の手首に何とか入りそうなサイズでした。
OH歴も不明、中の機械の様子も不明…この時計を長く愛用するために一度しっかり修理するにはいくらかかるんだろう…?
そんな風に不安に思い、見なかったことに…しました(笑)
然し、ある日ジュエリーの友の皆さんとジュエリー談義をしている時にこの時計の事を思い出しちゃって話してみると、皆さんが背中をドドーンと押してくださいました(話したらオワリ笑)
然も圧倒的に価格が安いものですから、
「ロレックスを手放し得たお金でスルッと買えてしまうのだから…良いじゃない??少し修理代がかかったとしても??」
みたいな緩くて軽い気持ちになって来ました(大爆笑)
そんな訳で、ノーメンテのリスクを承知でお迎えしたレディエルジンが、満を辞して(?)私の元にやって来てくれたのです。
手元にやって来たエルジンを見て、なんて美しい時計なんだろう…と、じいっと見詰めました。
前も書きましたが、アンティーク時計あるあるなのか、写真よりも実物はずうっと美しいのですよね。
金がたっぷり使われていて立体物としてしっかりと造られているからなのか、本当に良いんですよ。
注目すべき点ですが、こちらの時計はレディが付くエルジンです。
ハミルトンなどのメーカーも同様なのですが、レディがつく時計の方が高級ラインだったっぽくて、使われているシングルダイヤの質がめっちゃくちゃ良いんですよ!!
本当に小さなメレダイヤなのに、ビュンっと大きく虹色のファイアが出ます(驚)
そして写真ではそこまで思わなかったのですが、このデザインがめちゃくちゃ可愛いという…。
ラグにあしらわれたハートにリボン、散りばめられたダイヤモンド…これ以上に乙女心をくすぐるデザインって他になかなかないでしょう?
それなのに子供っぽくないのは何故なのかしら…!
心の中で、セボンスターとセーラームーンが好きな少女とアラフォーな今の私が、大騒ぎして歓んでいるのがわかりました。
早速時計を巻いて動かしてみましたら、調子良く動いていたんだけれど…
ある日遂に止まってしまいました。
届いて一週間くらいだったと思います。
勿論これは想定内、この日が来た時のために街のはずれにひっそりと佇む時計修理屋さんを見つけてありました^^
この時計修理屋さん、Googleで適当に調べて見つけた地元のお店なのですが…
ここの店主である技師さんは、私がアンティーク時計の蒐集を全力で楽しむ為に必要な事を惜しみなく教えてくださる、恩師のような方でした。(その後、現在に至るまでしぬほどお世話になります)
めちゃくちゃ地元なのでここでご紹介できないのが残念なのですが、
私のお勧めは、近所で古くから営んでいると思わしき小さな時計修理屋さん、そんな時計修理屋さんが名店な可能性があるので訪問してみて〜って事です。
是非皆さんもGoogleで適当に調べて端から訪問してみてください。
家の近所の方が何かと便利でいいんじゃないかなと思いますが、近所じゃなくても良いと思います。
ポイントは、ひっそりと佇むお店の方が、料金がめちゃくちゃ良心的で腕が良く、色んなことを教えてくださる可能性があるよ〜って事ですね。
その代わり、最初はとっても入り難いと思います(笑)
お試しでクォーツの時計を電池交換に出したりしつつ、雑談の中でアンティークの金無垢時計のOH(オーバーホール)はできるか聞いてみたりすると良さげですよ。
店主さん(技師さん)との相性って凄く大事だと思いますから。
そんな訳で訪問した時計修理屋さん、店主である技師さんによると、
「天真が折れてないから恐らく直ると思うけど、アンティークの時計はバラしてみないとなんとも…おばあちゃんな時計だからね、直っても新品の時計のようには行かないんだよ。ただ、僕を信頼して預けてくれるなら出来る限りの事をやってみます、もし直らなければお代金は頂きません。」
このように優しく説明してくださり、時計を預ける運びとなりました。
技師さんのお話を聞くところによると、アンティーク時計屋さんの仕事を受注しているとの事で、レディースの金無垢アンティークの修理経験が沢山お有りなんですって!
やっぱりレディースのアンティーク時計ってメンズより圧倒的に部品が小さいし、女性でアンティーク時計好きってかなり少数派だから需要もないみたいで、レディースのアンティーク時計を修理し慣れている技師って少ないそうなのですよ。
そして数週間後…!
「時計が直りました。」
と言うご連絡を頂きました^^
「こちらの時計は殆ど使用されなかったようで、中の部品は凄く綺麗でした。調子良く動いています。」
ウッヒョおおおおおお!!!
喜び勇んでチャリかっ飛ばしてお店に向かいました。
「外装も機械もこんなに綺麗な時計、掘り出し物を引き当てましたね!」
などと言って頂き、ただのビギナーズラックではありますが、とっても嬉しかったです。
然もこれ、実は当時のBOX付きだったので更にお買い得でした。BOXだけでも一万円くらで取引されているんです^^
そして気になるのは修理代金‥!
中身が綺麗だったとの事で、OH代金だけで済みました。
つまり修理代としては最安値だったという事です。
然も、風防を外して古い接着剤を除去、新しく付け直しをしてくださっているとの事で、もの凄く綺麗な雰囲気になって帰って来ました。
※風防…文字盤を覆うガラス部分、アンティークの場合はプラスチックで出来ています。
やはり製造から60年も経っていると、接着剤が黄色く変色したり、劣化することで文字盤の縁が割れているように見えるものなのですが、それが一切なくなり綺麗になると見違えるようなのです。
最後に超音波洗浄機で洗ってくださっているので、ただでさえ美しいダイヤモンドが更なるクリアな輝きに…!
磨き直しや再メッキをした訳じゃないのに、ピッカピカになっており感無量でございます!!
こう言った風防の付け直しや超音波洗浄に関して、どこの修理屋さんもやられているのかは不明なのですが、こちらの修理屋さんではOH代金に含まれているサービスとの事…!
何もかもがとってもラッキーでした^^
こうして私の元に帰ってきたレディエルジンのダイヤ時計…。
美しく愛らしい姿を振りまきながら、ご機嫌に動き続けております。
あれからずっとヘビロテしています…とは言えアンティークなので連続使用はせず、日替わりで時計を付け替えながらヘビロテしている感じですね。
時間をチラッと見るたびに、乙女心がワクワクしちゃう美しい時計…
そんな時計が私の元に来てくれた幸運と、素晴らしい技師と出逢えたご縁に、心がほくほくしております^^
そして…ロレックスを手に入れたあの日の私からのタイムカプセルというか、時空を超えたギフトのようでもあり、とっても不思議な感覚なのです。
(おしまい)
うふふ^^