クロトンのサファイア時計です^^
アンティーク時計がお好きな方はご存知かと思いますが、一般的には聞いた事がない時計メーカーかもしれませんね。
ケースはプラチナ製、アールデコの時代に作られたお品ではないかな〜と思っております。
ムーブメントを観察すると耐震装置が付いておりました。
これは、1950年以降に中身が入れ替えられた、という事になるようです。
アールデコの時代の機械は精度が出ない事が多い為、新しい機械(と言っても今から70年も前の機械ですが)に入れ替えられている時計は実用に向いており、ラッキーな事とも言えます。
この時計は、数ヶ月前に海外のオークションにてひっそりと競り落としました^^
競り合った数名は業者なのだろうな…という、独特な雰囲気がありました。
「業者であれば、この価格以上は出さないかな…?」
という読みが当たったのです。実際のところはどうかわからないですけどね。
という訳で、エンドユーザーとしては可成りリーズナブルに手に入れる事に成功しました。
突如オークションに参加したのは何故かというと、
「この機械であれば絶対に直せるぜ!!」
みたいな自信があったからです。
この機械は日本でも沢山流通しており、いつもお願いする技師がドナーを沢山持っている事を知っておりました。
ドナーって言うか、その機械ならめちゃくちゃ沢山あるよ、動くかわからないやつだけど兎に角いっぱいあるよ!みたいな…(笑)
部品が沢山ある、そして部品が安価であれば、どうにか直せるんじゃないのかな〜って思ったんです。
その後、問題なく修理が済み、ブレスレットと竜頭を変更いたしました。
元は黒紐のブレスレットと何の変哲もない竜頭が付いていたアッサリとした時計でして、やや物足りないなぁ〜と思っていたのです。
元のお姿はこちらです↓
元のお姿、いかがでしょうか?
シンプルでアッサリしていて良い…のですが、アールデコの時計って、もっとこう、煌びやかなイメージがあったので…手持ちの時計パーツを組み合わせでどうにかならないかな、とやってみました。
勿論、やってくださったのはいつもの技師です^^
今回取り付けたのは、日本製(1960年代?)と思われる14金の無垢ブレスレットです。
このブレスレットは、過去にオメガのムーブメントを購入した際に偶然付いて来た謎ブレス…(笑)
普通こういうブレスレットはロープ状の物が丸輪で束ねられているんだけど、このブレスレットを裏からみるとロープ状になってないんです。
ロープを束ねてるように見える、それっぽいブレスレットなんです。
そして、クラスプには和彫っぽい装飾が…。
クラスプの裏にある刻印を確認すると、矢張り…!
WG K14とあります。
海外製は14Kと刻印がある(アトK )のが通常で、K14と打たれているなら日本製という事になるようです。
これは…???
日本人が見様見真似で…海外製の時計ブレスの広告写真を見て…コレは多分こうなっているのではないか…??
と作り上げた謎のブレスレットではないか、と技師が仰っていました。私もそう思います。
そしてこちらのブレスレットは、6時の方向の下の方に、メッシュの破れがあります。
アンティーク時計のメッシュブレスレットあるあるな破れ方なんですが、こちらは修理してもしなくても大丈夫との事でした。
修理しなくても拡がることは少なくて、寧ろ修理して塞いでしまうと、別の箇所に負担が掛かるから別の箇所が破れたりするよ、と…。
それならもう少しこのまま使ってみて考えようかなーと、取り敢えず受け取って来ました。
竜頭は、サファイアのような、青い石付きのものを付けて頂きました。
こちらの竜頭も、
「何に使うかわからんけど買っとくか〜!」
って感じのノリで、海外からまとめ買いしていたものです。
こんな感じで、ちっちゃい真鍮の入れ物にガサーッと入って届きました。
サファイアっぽいのとエメラルドっぽいのがありますが、多分全部ガラスの石だと思います。
お目当ての時計につけられるかはワカランのに取り敢えず買って置いたのは、そんなに高くなくて競り落とせたからです。
そう、こちらも海外のオークションでした。
実はこの竜頭、技師曰く、ちょい合ってないそうでケースと竜頭の間に隙間があります。
隙間が大きいと時計を巻く時に折ってしまう事があるそうなんだけど、
海外のサイトでアンティーク時計を見ていると、もっと隙間がデカいヤツを見かけるので、これはこれでOKにしています(笑)
アンティーク時計も現代の時計も、ブレスレットや革ベルトを変更すると、雰囲気が驚くほど変わります。
この時計も、竜頭やブレスレットなどのパーツを変更しただけで随分と格が上がったように思いました^^
元の姿と比べたら、アールデコらしさも増したのでは…!
実を言うと、ケースの上下に付いているサファイアは黒っぽく見えて地味だと思っていたのですが、
竜頭の青い石と金無垢ブレスレットのホワイトが華やかさをプラスしてくれて、だけど良い意味でまだ地味というか、可憐で上品な感じが気に入っております^^
アールデコの時代の時計って、小さくて可愛くって本当〜に素敵ですよね。。
でも…
アールデコは機械が古い為精度を出すのが難しく、そもそも専門店では高額で販売されているお品なのでェ…
「私にはご縁がない時計かなぁ〜(涙)」
などと思っておりました。
今回も、私の手に届くお品でご縁があった事、嬉しく思います。
小さな小さな時計ですが、私の手首にも、たっぷりとした存在感がありますよね。
海外から(壊れた)アンティーク時計を取り寄せる事、使えるかわからない部品を取り寄せる事…
これらは非常にリスキーな行為と言われますが、少しずつ知識を得ながら、そして失敗しても後悔のない価格でチャレンジするのであれば、きっと面白い経験になると思います。
そんな世界に興味がある方へ、少しでも私のブログがヒントになれば嬉しいですし、アンティーク時計の楽しさが広がって行けば良いなぁと思います。
もし貴方が、とっておきのアンティーク時計を手に入れたなら、是非どこかで見せてください^^
(おしまい)
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