インターネットでの交流が盛んな昨今、コロナ禍の影響を大きく受け、急速な成長を見せている。
我が夫も殆ど出社する事なく仕事をしており、満員電車に押し込められるような事が当たり前だった常識は一体なんだったのかと感じる様な事が増えた。
私はあまり自分の事を話さない方なのだが、知り合って割と日が浅い方に深刻なご相談をいただく事がよくある。
これは男女問わず多く、知り合って日が浅いどころか友達と呼べるかもまだあやしい間柄でもご相談を頂くため、話し易いのかな?と私としては好意的に感じている。
その中で議題に上がり易いのは、隣の芝は青く見える問題だ。
これは人間に関わらず動物の世界でも同じようで、我が愛鳥も隣の鳥の餌皿の方がよく見えるらしく、お互いにお互いの餌皿を延々と取り合いをしている。
↑横目で隣の餌皿を狙う図
SNSの普及で、隣の芝問題も矢鱈と成長を遂げている様にも感じるのは、小さな四角に収まった写真と、そこに添えられた美しくも欲を掻き立てるような文章が全てだからなのだろう。
ここに一枚の写真がある。
ここには綺麗に仕上げられたネイルアートと、雰囲気のいいニットの袖、紅く輝くルビーの指輪、それと共に美しいグリーンが写っている。
この写真を拡大してみる。
先程の写真と比べてどうか?
隣の芝は青く見える、しかしその裏側ではどんな事が起こっているのか?
このネイルアートは素人が100円ショップの商品を駆使して仕上げたものである。
ニットは祖母が着古した千円程のカーディガンであり、実は袖丈は七分なので実際は萌え袖にはならない。
紅く輝くルビーは人工処理の安価なものでグリーンは勿論造花だ。
きっとこの写真には良いねはつかない。
これはインスタグラムというSNSで起こりがちな事象であるが、実は実生活のありとあらゆる所で起こり得る現象なので注意が必要だ。
なんであの人ばかり、なんで私は…そう思ってしまう人には今一度立ち止まってみて欲しいと思うのだ。
私に相談をしてくださる方の中には、実に周りに羨ましがられるような状況の方もいらっしゃる。つまり自宅の芝がめちゃくちゃ青い人達だ。
ある男性は一人社長のような立場で、私たちのコミュニティの中では一番お金を稼いでいた。仕事も趣味も上手くいっていたが、私に悩みを打ち明けてきた。
それはどうにもならないような辛い事で、彼の人生を苦しめ続けて行く様な事だ。
だが彼は、普段そのような雰囲気をおくびにも出さない。
またある男性は周りに妬まれるほどに周りに女性を従えていた。
私は従わないからなのか知らんが悩みを打ち明けてきた。
それは彼が愛した女性からの、異常で残酷なまでの裏切りで、女性を信じる事が出来なくなってしまったという地獄のような内容だった。
こうした話を多く見聞きしている事により、私は人を羨ましく思う事は少ない。
同時に、人からどう見られているかを気にする事も少ない。(←これはもう少し気にした方がいいかもしれない)
私個人の考えで言えば、人を羨ましがる事は割と良い事だと思う。
羨ましいという気持ちがなければ、自分の範囲を超えて何かを成長させる様な事ってなかなかないと思うから、悪い話ではないと思うわけだ。
(もちろん、成長する事がいい事、人より所有している事が良い事かはケースバイケースだ)
だが、羨ましいという気持ちに支配されて自分を失ってしまう事はよくない。
そんな時は立ち止まって、本当に隣の芝は青いのか?と、自分の目を疑ってみる事も一つかもしれないという提案である。