瑞々しく美しい大粒のサファイア。
ブルーともヴァイオレットとも言えない絶妙な色合いが心をくすぐります。
本日はこのリングをどのようにして手に入れたのか、一部始終を公開したいと思います^^
まず初めに。
大粒のサファイアが欲しいけど、石のショーでもブルーサファイアはどんどん高価になってしまっていると言う話を聞き、私には手に入れることはできない品物だわあと思っていました。
そんなことを思ってから時が流れ…別件のお買い物のことである工房さんとお電話をしていた際に、面白いお話を伺う機会に恵まれました。
「形が悪かったり色むらがあったり、そんな欠点のあるサファイヤでしたら2ct、3ctの石が手元にあるんですよ。こう言うのは、昔仕入れたものの残りでして、もしこう言うのでもよろしければ実物を見て頂くことが可能です。」
えっ?と思い価格帯を伺うと、
「うーんこう言うのは難しいですね、お値段をつけるのは…当店の希望価格は2ctだと五万円くらいでしょうか‥?」
えっっ?五万円?
そんな経緯でまんまと見せて頂くことになりました。
簡素な包を開けると、綺麗なルースケースに恭しく収められたサファイヤたち…。
(ビシッと並んでいた様子が圧巻でしたが私が乱した写真しか撮っておらず済みません汗)
ここにある石は、ほとんど2ct、大体5〜8万円くらいで販売できるルースとの事でした。
この時は30粒程のストックがあったよう(現在あるかは下記のショップ情報よりお問い合わせ下さい)で、私が好みそうなものを送って下さいました。
今回はお内金も不要との事でしたし購入するかも不明だったので取り扱いには冷や冷やしましたが、やっぱり実物を見て良かったです。
3.08ct!君に決めた!
尚、私が見せて頂いた際のルースは本当に個性が様々で、
アイスブルーにパシャパシャとした輝きの、アナと雪の女王のようなイメージの石や、
濃いインクをつうっと垂らしたような、まだら模様がシックな石など、
日本の宝石業界の通例では流通させづらいと推測する、それでいてオンリーワンな石が多かったです。
ただ、カットの良し悪しにも言及されていましたが、やや薄い形状で真ん中が透けそうなものもありましたから、もし今後このタイプの石をお求めの方がおられましたら、候補の石が透ける可能性があるかをお店屋さんに確認してみましょう。
私が上記の石を選んだ理由は、やはりサイズ、可愛い石がいっぱいで迷ってしまったから最後はサイズです!
この石は内包物がそれなりにありまして、でもそれが独特な輝きを生み出していました。
サファイヤに完璧を求める方は決して選ばないでしょう。
私は美しいと感じられるものであれば石の欠点も楽しめるタイプですのでラッキーでした( ◠‿◠ )
石を選んだら次はどんなジュエリーに仕立てるか、構想を練り始めます。
お求め易い石を手に入れたとしてもサイズが其れなりにあれば加工代も高額になりますので、構想は慎重にしています。
私がいつも使う手法は、上記のように海外のウェブサイトから商品の写真を集め、自分の好みを洗い出すやり方です。
なぜ海外かと言うと、圧倒的に情報量が多い事と、日本のサファイアリングは華奢なものとマダム系の取り巻きリングが殆どである為、私の大柄な骨格に似合わないのです。(マダム系取り巻きは似合いすぎちゃってちょっと野暮ったく。。)
こうして洗い出して分かったのは、一粒石のソリテールか、脇石にバケットダイヤを添える事、しかし脇石案は予算の都合上NGでしたのでソリテール一択となりました。
しかし、3ctのサファイアを留められる枠を持った業者さんが見つかるかが不明でした。
ですのでまず心当たりのある業者さんに打診をしてみます。
すると回答とともに枠の写真が送られてきました。
「サイズを伺う限りお尻が大きいので確実とは言えませんが、恐らく2ct用か3ct用のダイヤモンド用の枠で行けると思います」
価格は18金でもプラチナでも現在は同価格で、七万円との事でした。
おっしゃ其れならルースを預けてみよう!話は其れからだ!
そう決心し、業者さんにルースを送りました。
すると送られてきた写真はこちら、
「3ct用の枠にセッティングできることがわかりました。」
このようにコメントが添えられていました。
しかし私には気になる点が一つ…
それは、
ちょっと腕が太い…これ絶対腕が細い方がかわいくない…?
左が2ct用、右が3ct用の枠です。
腕の太さについて質問してみると、
「好みの太さになるよう、削ることができます。過去にお客様のご要望でかなり細くしたことがありますので、サイズを指定していただければ細くします。」
とのご回答!
早速、好みのサイズ感のリング幅をノギスで測って、伝えることにしました( ◠‿◠ )
余談ですが、デジタルノギスは安いのでいいのであった方が絶対いいです。定規で立体物を測ると大抵失敗します!気をつけて!
次はどの指に合わせるかのサイズ指定、これは相当悩みました。
候補は人差し指か薬指。
担当さんが女性だった為、率直に好みを伺って見ることに。
「こう言う質問はご迷惑だと思うのですが‥もしご自身の指輪だったらどの指にされますか?最終的には好みで決めるものですが、主観で構いませんので率直なご意見を頂きたいです。」
すると、サンプル枠に石をの乗せ、ご自身の手に試着した写真を送ってくださり、
「私なら薬指です。人差し指であればもっとボリュームが欲しいです。」
というご意見を下さいました。
写真を拝見して納得、私の方が担当さんよりも薬指が大きそうだし、薬指に決定!です( ◠‿◠ )
最後の砦は地金決めです。
これも相当迷いました。
ダイヤモンドは普段のジュエリーの色に合わせたらいいのですが、カラーストーンの場合、地金の影響を受けて色味が変わります。
色味を優先するならプラチナ一択ですが、プラチナの色石ソリテールはダイヤを添えないとちょっとデザイン的に…。。。
しかもイエローゴールドは普段使わない上、淡いサファイアの色味に悪い影響があるんじゃないか‥。
そのように迷っていると担当さんより写真が送られてきました。
「地金決めの参考になれば…。」
白い背景に私の石を置いて撮ったものや、ゴールドチェーンにの上で撮影した写真…
これらの写真を拝見して、イエローゴールド好い!!!!と決断することができました。
そうそう、もう一つ大切な事を忘れていました。
其れはなんと石の向き!!!!
これは非常にレアケースだと思うのですが、なんと縦でも横でもない、やや斜めにセッティングしていただきました^^
これは担当さんとも意見が一致し、
「この石は歪なオーバル、この枠に止めるなら少し傾けると目の錯覚で真円に見えるような気がする…」
と言う結論になったのです。
でもこれ、ベテラン職人さんたちを大いに惑わせてしまったようです 汗。
この枠に斜めに留めるなんて普通ありえないですから、何かの間違いではないか?と工場から何度も連絡があったそうです。
そうしてセッティングした品がこちら、静止画では歪んでいることがわかりますね。
しかし着用写真ではどうでしょう、目の錯覚で真円のように見えるのです。
オーバルの石を六本爪のソリテールに留めてしまうとやや無理やり感があると言うか、デザインというものは個人的な好みの他に、そのデザインである必然性、そのような説得力があると良い品になり易いと思うのです。
よってこの指輪が真円に見えることは私の好みであり、真円であることは必然と判断した為、このように仕上がった事に感動を覚えました。
職人さんに根気よく説明してくださった担当さんに感謝してもしきれません。
さて、通販で手に入れたこの指輪、この事はいつか書きたかったのですが、 この業者さんはこのように梱包して品物を送って下さいます。
おわかりいただけますでしょうか…
リボンが潰れないように、梱包材に穴を開けて包んでいるんですよ‥!!!
このような配慮をされているのはここのお店さんだけです。
これは、自分用ならへーっくらいでしょうけど、贈り物の場合は非常にありがたい事、素晴らしいご配慮だ…そう思います。
何故こんなに感動するかと言うと、これやってみて下さい、めっちゃ大変ですから…。
そしてもっとびっくりなのは、ここの業者さん、なんとここまでの対応、検品含め全てほぼお一人でやられていると言う事です。
このことは私も最近まで存じ上げていなくて…年末年始の繁忙期など、本当に大変なんだろうなと推測します。
私など、不明点はなんでも聞いちゃうし、結構めんどくさいタイプのお客さんなのだろうなと思うし…根気よく快く対応して下さっていることに感謝の気持ちでいっぱいです。
よく、店員さんに横柄な態度を取られる方がいらっしゃいますが、
売ってくださる方と、買ってくださる方がいてこその仕組みなのですから、お客様が神様なのではありません。
お互いにお互いが神様であることを忘れてはいけないと、よいお店に出会うたびに思います。
前置きが長くなりましたが、開けごま!
箱を開けるとちょーんと静かに佇むサファイアに出遭いました。
早速箱から取り出してみますと、さっきまで静かだったサファイアは…
自然光を浴びて、嬉しそうにきゅらきゅらと輝きはじめました!
指につけてみるとこんな感じ、撮影環境は自然光が入る部屋・天気の良い日の午後です( ◠‿◠ )
こちらはオレンヂの灯りの下( ◠‿◠ )
この石は、見る環境によって本当に様々な表情を見せてくれる可愛いやつです。
石の醸し出す雰囲気は男性的、若い男性のような感じかなー。
一言で言えば、すっごく素敵な指輪です( ◠‿◠ )
最後に、今回お世話になった二社を紹介させて頂きますね^^
サファイアルースを選ばせてくださった工房さんは、
ubazakuraさんに相談したいことがあるのだけれど、相談窓口がわからない(どこから問い合わせたら正解か?)とのご相談をインスタグラムより頂いたことがあるのですが、 私の場合は、希望する品物に近い商品ページの問い合わせボタン↓から相談することが多いですね。
または、石のみの相談であれば、ルースの商品ページ↓からでも良いでしょう。
要は、質問を受け取った時に、お客さんの意図がわかり易いような商品ページから質問すれば親切だと思います^^
そして指輪に仕立てて下さったのは、
今回お願いした枠は、この枠の3ct版です。
この枠ですが、なあんだよくあるティファニー爪か!と思われた方、鋭いご指摘ですがこの枠はよくある立て爪とは一線を画しております。
其れは、腕の厚み、幅、石の持ち上げ方まで全てが良くできており、全ての要素が絡み合い、ダイヤモンドが綺麗に、そして指をエレガントに見せてくれる素晴らしい枠です。
大柄な私にとってはもう少し厚みが欲しいと思うこともありますが、この価格では限界でしょうし、何なら日本女性の殆どの方はこの厚みでないと着けづらいと思います。
私は過去、他社のよくある立て爪からアンジェラさんの立て爪にわざわざ作り替えた経験があります。其れほど違うと言うことです。
また、よくあるのは、0.5ct枠は可愛かったのに1.0ct枠で作ったらゴツくてダサい…こんなことがあるかと思います。(靴とか下着とかこう言う経験があります)
しかし、私は家族の指輪も含め、0.7ct、1.0ct、1.5ct、3ctの枠での仕立てをし、実際にこの目で見ていますが、全て可愛かったのです( ´ ▽ ` )
もし迷っておられる方がいらっしゃいましたら、是非一度試してみて!と背中を押したいです。
希望する枠のサンプルが見てみたい場合は、工場にサンプルがある時でしたら写真などを見せてもらえる為、ご心配な場合はリクエストしてみましょう。
この素晴らしい指輪は、ubazakuraさんとアンジェラさん、この二社がなければ出逢う事ができなかった、特別な指輪です。
このような指輪に出逢えた事は大きな幸運ですね( ◠‿◠ )
本日はサファイアのソリテールリングができるまで、そんなお話でした( ◠‿◠ )
明るく嬉しそうに輝くこの石が、これからの季節大活躍してくれそうです。
あああ〜〜っっうれしいい♡
(おわり)