皆さんはダイヤモンドときいて、非常に丈夫な宝石、割れない宝石というイメージがおありではないでしょうか?
結論から言うと、ダイヤモンドは比較的簡単に割れます。それは劈開性という性質によるものです。
この写真をご覧ください。
この指輪は私が左手にほぼ毎日着用しているものです。
このようにガードル(ダイヤモンドのふち)に欠けが生じてしまっています。
少しわかりづらいですね。
もう少しアップの物もご覧ください。
どうしてまた欠けさせて仕舞ったのかというと、分からないうちにこうなっていました。
つまり、日常で使用する上でうっかり硬い物にぶつけてしまった時に欠けたのだと推測します。
それくらい何気ない事で欠けたともいえます。
GIAのウェブサイトに、プリンセスカットの角が欠けた事例やキュレットが欠けた事例が掲載されていますのでご参考にされて下さい。
上の方には劈開性とはなんぞやという難しい話が書いてありますが、筆者はさっぱりなので読み飛ばし、ダイヤモンドの欠けリスクを最小限に抑える方法のあたりから読んでみますと、やはり欠けはそのまま使用しない方が良いとあります。
爪で保護したりセッティングを変える(爪からベゼルへ、など)方法が推奨されています。
しかしなぜ、ダイヤモンドは丈夫な宝石というイメージがついたのでしょう。
それはやはり、他の宝石と比べると丈夫な側面があるからでしょう。
ダイヤモンドはモース硬度が10なので、どの宝石より擦り傷が付きづらいのです。
例えばモース硬度4の蛍石(フローライト)はナイフで簡単に傷をつけることができます。
ただこのモース硬度って、ひっかき傷の有無で硬さを測定したものなので、ぶつけて割れる等の基準ではありません。
ですので、この世で一番硬い宝石がダイヤモンドっていうか、この世で一番引っ掻き傷がつかない宝石はダイヤモンドっていうことです。
そしてダイヤモンドは熱湯に入れてもびくともしないし、紫外線などの影響も受けづらく、そういう意味ではやはり丈夫な宝石だなあと思います。
先日、祖母に返還したダイヤモンドリングも、実はガードルがズタボロです。
祖母が日常的に使っていたし、私も普段使いしていたので当然と言えば当然でしょう。
でもこの欠けも含めた石が、歴史を物語っているようでもあって、愛おしい指輪だなあとも思います。
さて、このガードルが欠けてしまったダイヤモンドですが、何か策を打つか、はたまたそのまま着用するかで揺れています。
もし策を打つとしたら、セッティングを取り換えることでしょう。
二点留めやテンションセッティングだとガードルの露出が増えるので問題を増やしてしまいますし、ベゼルセッティングだと石の輝きに影響することと石落ちのリスクが増えるので、やはり爪留めにするのだろうなと思います。
恐らく六本爪のソリテールに仕立て直すのが、私の場合、最善策になるのだろうと今のところは思っています。
でも、どのようなセッティングにしても、破損や紛失の何かしらのリスクがあるので、多少のことは自分の歴史として受け入れていくのも、ジュエリーとの向き合い方として必要なのだろうなあと思います。
リスクを恐れて仕舞い込んでいたら、ダイヤモンドの指輪がもったいないですしね^^
余談ですが、毎日石の指輪を着用している方と、年に数回着用される方を比べると、やはり毎日着用される方の方が、破損や紛失が少ないそうです。つけ慣れないものを着用しているとぶつけてしまったり、不意に外した際に紛失してしまうようですね。
折角のダイヤモンドの指輪ですから、上手に身に付けて楽しんでいきたいですね( ◠‿◠ )