ちょっとわさわさしており更新が空いておりましたが、本日はInstagramよりリクエストをいただいていた記事を書いてみようかなーとMacBookを開いた次第です。
リクエスト内容
「ジュエリーのリフォームをした事がありません。思い通りにならなかったらと不安です。依頼するお店や職人さんとのイメージの共有のコツ、そして依頼先を選ぶポイントを教えてください。」
との事です。Rさま、リクエストありがとうございます^^
本日記事にしてみようと思っている内容は大変奥が深く入り組んでいるので、ご興味がおありの方がいらっしゃいましたらお時間に余裕がある時にどうぞ!長文だよ!!(1万3千字だよ!)
ええと、何から書こうかな…よし!
早速行ってみましょう〜!
ジュエリーの仕立ては、いくつかの方法がある
ジュエリーの作り方ですが、いくつかの方法があり、そのお店その職人によって得意な分野があります。そして、私たち依頼者にとっても向き不向きがありますのでその辺りから書いてみようかなと思います。
(1)空枠のお仕立て
デパートのジュエリーリフォームカウンターや、ハイジュエラー(ティファニーやハリーウィンストン等)で販売されているほぼ全てのジュエリーは、全てこの空枠のお仕立て、即ち量産型ジュエリーです。
職人が最初の一本(原型)をこしらえたら、それをもとに鋳型を作り鋳造して空枠を作ります。
空枠に合うサイズの石しか留められない為、サイズの規格がないファンシーシェイプに合う枠は少ないのが通例です。
なお、ハイジュエラーでも超高額品なら空枠以外の作りが存在するようですが、ハイジュエラーでフルオーダーしたという個人の話は身近で聞いた事がありません。ヴィクトリアベッカムやデヴィ夫人とかならありそうですね。
ハイジュエラーでもセミオーダーをやっている会社がありますが、あれは空枠でのオーダーになるようです。
この空枠ですが、お勧めできるものとできれば避けた方が良いものがありますので、後述いたします。
(2)CADでのお仕立て
CADは、PC上で立体の図面を描き出力する事で鋳型を作る為の原型を制作、その後鋳造する事で品物を量産する事ができます。
最近CADが主流なのは、原形を作る際に時間がかからないためとても安価にフルオーダーが可能だからです。
例えばお客さまが腕の幅2mmと言えば2mmと打ち込む、ペアシェイプの石の縦が7mmならそう打ち込むだけでどのようなデザインも可能です。
ただ、PCの画面上で見た3Dの図面を見るだけでは、仕上がった実際の品物とイメージの開きが出てきます。
例えば、石枠の脇をほんの0.1mmシェイプした方が立体的にきれいに見えるというような事には図面上では気づきづらいですし、仕上がり後に依頼者が気づいても、そのような微調整は基本的にはできない会社が多いです。(そのような事ができる職人を置いてない会社が多いという事です)
余談ですが、建築現場、車のデザイン、家具のデザインなど、立体物を扱う殆どのデザインの現場でCADが使われていますが、実はCADで処理するのは目立たない小さな部品程度に留めるのが常識になっているようです。一流の会社ほど、表面的なデザインにCADは使わない流れだと聞いています。
例えば車のデザインですが、車のデザインはデザイナーが細かな設計図を書いて立体のモデルを作りますが、それでもCADは使わず、クレイモデラーという職人の手で粘土を使った模型を作ります。実際の車のサイズで作る為、かなり体力を使う仕事です。
細かい設計図があるんだからCADでプラスチックの模型を作る方がずっと速いし人件費削減になると思いませんか?だとしても、CADで作った模型は実際のモノを見るとヘンな箇所が多く修正をせねばならない為、修正可能な粘土で職人が原型を作る方が結局は効率が良いそうです。(車の場合は確か、空気抵抗のテストとか模型でやったりするから、テスト後に調整できる粘土のが良いとかもあったような気がするけど失念してしまいました。。)
このように、CADでの制作は、図面上で見た印象と、仕上がり後の品物の印象に開きが出てくる事は気に留めて置く必要があります。
(3)ロストワックスでのお仕立て
ロストワックスとは、ワックスで原型を作るやり方です。
ワックスはカッターなどでも切断できるような素材で熱を加えると溶ける為、指輪の腕と石枠を作ってくっつける際には熱を加えます。
こうして作った原型で型を作るのですが、型を作る時に原型が熱で溶け落ちてしまうため、ワックスがロストなのです。(ルー大柴みたい…笑)
ワックスは道具が少なめで制作できますから比較的原型を作る手間がかかりません。ただ、ワックスの原型から鋳造型を作る時に少し縮むようなので、ワックスの段階で見せてもらったサイズ感とは少し雰囲気が違ってきます。
又、あまり慣れてない方が作ると、縮みを計算に入れる事がうまくいかず、石が石枠に収まらないなどがあります。(又は石枠が大き過ぎてヘン。こちらのが多いかも)
ですがこちらもCADと同じくらい安価でフルオーダーができる印象があります。
(4)鍛造でのお仕立て
昔ながらの製法で、熱した金属を金槌で叩いて削って磨いて職人がジュエリーを作っていきます。
日本では、刀を作っていた職人が、廃刀令を経て飾り職人(簪などを制作)へと転身、そこからジュエリーの職人になったという経緯があります。
ですので、金属への彫刻のやり方や、ジュエリーへの考え方は西洋の職人と少し違ったオリジナルのものがあるようです。
例えばですが、西洋では美しさを追求するため耐久性を犠牲にすることがありますが、そのような豪華なジュエリーを使用するユーザー達も伝統的にジュエリーの装い方を理解している為壊してしまう事はありません。
しかし日本では、ジュエリーを身につけるようになって日が浅いため(明治以前は指輪やネックレスをつける文化がほぼない)ジュエリーの装いについてユーザー達に情報がありません。ですので美しさを犠牲にしても、壊れないよう丈夫に作る方が優先されるようです。
この職人ですが、主な仕事はメーカーなどから依頼された品物を制作して卸すこと、日々の業務で関わる相手は業者なので、相手も宝石を知り尽くしているわけです。
そして職人に頼む個人となると、ある程度宝石に対して知識量がある相手になる為、デパートやブティックの接客のようなきめ細かなやりとりはなくなる傾向にあります。
細かなことは知っているテイで話が進んでしまう事も珍しくない為、わからないことはわからないと聞き易い相手なのか、そう言った面で自分と職人との相性が本当に大事になってきます。
職人一人で、メーカーからの受注、素材の発注やデザイン、個人客の接客をこなしている場合も多く、ジュエリーの制作以外の業務を含め、基本的にはマルチタスクな内容の仕事です。
このように、一人でこなしておられる方は多忙なため、納期や連絡のレスポンスがのんびりですが、受付や雑務をこなす為のスタッフを雇っている場合は…人件費がダイレクトに工賃に反映されてきます。
このタイプの職人に男性が多いのは、体力と握力など男性的な能力を使う作業である事に起因します。うっかり顔を近づけてしまい、まつ毛が燃えたりするらしいですよ。
以上の4種類が、ジュエリーのお仕立ての方法となります。
ザッと説明しただけでも、メリットっぽい事とデメリットっぽい事が混在することがお解りでしょう。
どのやり方でもメリットがありますから、どれが良くてどれがダメとかはないのですが、強いて言えば依頼者側がどのようなスタンスでお仕立てしたいか、等でおすすめが変わってくるかと思います。
細かいシチュエーションでもおすすめが変わってきてしまうので…これから書く事は一つの方法に過ぎない事、そして私ならこうするという私的な指針を基に表現している事、これらを留意されて読んで頂ければ幸いです。
仕立てたいヴィジョンが明確な場合
例えば、ティファニーの立て爪みたいなリングが良いけど、あれは爪が高すぎるからもっと低くて引っ掛からなかそうなリングが良いな、など明確なヴィジョンがある場合、私ならまず(1)番の方法、空枠を探してみます。
なぜなら、空枠に石を留めるのが一番安価で、一番イメージ通りに仕上がるからです。
この場合、必ず仕上がりと同じ空枠(石のサイズが0.8ctなのに0.3ctの空枠を見せてもらっても印象にズレが生じます)を見せてもらいましょう。
そしてイメージに近いリングの写真をインターネット上から保存して置いて、その写真と見比べながら、指に空枠をはめてみましょう。
インターネット通販のお店でも、良心的なお店は空枠サンプル(大抵はシルバー925製)を貸し出してくれたりするので、必ず実物を見たほうが失敗が少なくなります。
仕立てたいヴィジョンがあるが空枠に希望のデザインがなかった場合
この場合は、(2)(3)(4)のどれかの方法になりますが、私の場合は迷わず(4)です。然しこれはかなり少数派になると思います。
なぜなら、(2)のCADや(3)のロストワックスの方が安価なイメージがありますし、自分の希望を伝え易いイメージがあるからでしょう。
明確なヴィジョンがあるが、そこまで細かい拘りがない場合は(2)(3)の方法で問題はありません。自分のイメージとバッチリではなく、大体合ってれば良い場合は安価な方法を選ぶ方が良い選択です。
(2)(3)(4)どの場合でも、希望するデザインに近い品物の写真をいくつか提出し、腕の幅や石の高さなどの希望サイズを明記したデザイン画も同時に提出すると良いです。サイズを確認する為だけの図面のような物なので、絵が得意じゃなくても判ればOKです。
このデザイン画から、依頼者の希望や好み、表現しきれてないところまで読み取れるかは、受注者の手腕にかかって来ます。(これは受注者と依頼者の人間的な相性も大きく関係してきます)
ここ!なんですよ、私が(4)を選ぶのは。
何かというと、私がこうしたいと思っているという事を図面に非常に詳しく書いても、伝わらない事が殆どでした。
これはなぜかと言うと…。。
多分ですが、ジュエリー制作のあるあると言うか、お客さまは通常は爪を低くしたがるとか取り巻きメレダイヤを大きくしたがるとか、そう言うあるあるが業界の中に歴史的にあって、そのあるあるとは真逆の事を言う私の希望を反映するのには可成り勇気がある事なんだと思うんです。
私がオーダーで作りたいものは、基本的に日本では販売されていない海外の造りのジュエリーです。海外のものは基本的に爪は高めですし、今の主流は腕が細めメレは小さめです。
日本では、爪が高い事は相当嫌われますし、大粒石に細い腕をつけたいユーザーは非常に少ない(若い方は華奢を好みますが、大粒の宝石を買う層は違います)為、私が希望しても水面下で修正されてしまってノッペリした平面的なリングが出来上がって来た事が何度あったか…。
勿論、業者さんが「いやあり得ないだろ!」と思って良かれと思ってそうしてくださったのは理解できます…。
そして「腕の幅1.8mm、厚みは幅に合わせてください」と指示すると、腕の厚みは1mmで仕上がって来てしまいます。
然し、ジュエリーの造りを理解している職人だと、腕の幅1.8mmだと、腕の厚みは2mm以上に合わせてくれる事が多いのです。それは、腕の幅を細く華奢にする=耐久性を高めるために厚みはしっかり確保するという知識があるからです。もしその厚みがありすぎると感じたら、仕上がり後に削って薄くしてもらう微調整も可能ですので問題ありません。
ジュエリーのデザインって0.1mm違うだけで印象がだいぶ違って来てしまうのに、自分の指に合うリングの太さが2mmなのか、はたまた1.8mmなのかって素人には予想できないんです。
だから満を辞してサイズを指定しても、コレジャナイ感に苛まれる事があるんですね。だからこそ、仕上がり後に微調整ができるかどうかが私にとってはポイントが高いです。
このように、ざっくりと希望するデザインを作りたいなら(2)(3)の方法を選べばよく、可成り細かな調整が必要な場合は(4)を選んだ上で、職人との関係性を作り制作を依頼する事をおすすめします。
私は、あるリングを作りたいが為に、お目当ての品とは敢えて別のジュエリーを依頼(ちょっとしたカスタムを依頼してみました)し、意思疎通をしやすくなった時点でお目当てのリングを依頼しました。
実は費用面でも、CADで安価に作って作り直しが生じた場合、二回分の費用を考えたら職人さんに依頼した方が安くなってしまう事も多いです。
この辺りは、ご自身がどのタイプなのかで選ばれると良いかもしれません。
稀にCADの業者さんでも、ほんの少しづつサイズを変えた図面を何パターンも作って選ばせてくれたり、かなり詳細な手厚い対応をしてくれる所もありますが、その場合は人件費や店舗費が価格に反映されてしまう為、安価にできるという印象ではなくなります。そういう点は留意されておくと良いと思います。
ジュエリーの作りに対して可成り造詣が深い担当者と詳細に打ち合わせした上でCADで制作し、仕上がったジュエリーを職人が削って微調整までできるとしたら、恐らく鍛造の職人に発注するより高価になってくると思います。
なんとなくこう言うのというイメージはあるが、明確なヴィジョンがない場合
この場合もまずは空枠屋さんをザッと見てみましょう、そこにバチッとハマるものがなければ、デザイナーさんがいるお店屋さんに行ってみましょう。
具体的には、K.UNOというお店屋さんが有名ですが、まずお客さんから希望のデザインをヒアリングして、ジュエリーデザイナーがスケッチを描いてくれます。
そこから先はCADになるのか鍛造なのかはお店によりますが、ゆっくりと丁寧にやりとりをして下さるため、初心者の方でも安心かと思います。
デメリットらしいデメリットはありませんが、デメリットを挙げるとすれば、高価になる事と、職人と直接やり取りができないためイメージと誤差が出ることくらいです。ただこちらについては、職人と関係性が出来ていない場合は直接やり取りしても誤差が出るので同じとも言えます。
記念日のジュエリーなどはこのような形でオーダーするとステキな思い出にもなるし、記念日ジュエリーなら高価でも良いよね♡
超余談・K.UNOさんは神田うのさんとは無関係らしいと聞いて超びっくりした経験があります w
ほら、芸能人の人ってよくジュエリーやさんやったりするじゃん?
社名の由来を調べてみたら、社 名 の ケ イ ・ ウ ノ は 姓 で あ る 久 野 に 由 来 す る 。ウ ノ は イ タ リ ア 語 で “ 1 ” を 表 す こ と か ら「 オ ー ダ ー メ イ ド で 世界で1つの宝物をつくる」というコンセプトも併せ持つ。との事でした!
以上となりますが、おすすめと言ってもケースバイケースと言いますか、万人に合うものはなさそうという事実をご理解頂き、その上でご自身の好みに近いやり方を選択されると間違いないと思います。
ここまで読まれた方はお気づきかと思いますが、オーダー初心者さんもオーダーに慣れて来た方も、先ずは空枠で探してみられてください^^
この空枠も、よい空枠と安っぽい空枠があるので、この辺りは詳しく書き記しておきましょうか( ◠‿◠ )
空枠というのは量産品ですので、一本売って幾らというビジネスの方法を取っています。
ですので、会社側が販売価格を下げても利益が出るようにする為には、極力地金(金やプラチナ)を使わずに一本を作る事が鍵とも言えるのです。
ですから、品物の裏側を削ったり、リングなら手のひら側に来る部分を薄〜くしてみたり、そもそも全体的に華奢に造るという事をするケースが多いです。
このような空枠は、購入時にはとても安価なのですが、使用中に変形してしまったり、サイズ直しをする事で極端に強度が落ちてしまうことが普通です。
ですから、極端に安い空枠は結局長く使えない事も多いのです。
先程も書きましたが、必ず実物の空枠(サンプル)を自分の目でみて指にはめてみて、あまりに頼りない作りのものはやめた方が無難です。
どう言ったものが頼りない造りなのか判断がつかない場合は、婚約指輪屋さんのお店の品(ティファニーなどハイジュエラーでも可)で、0.5ct以上のダイヤモンドの婚約指輪の枠を何種類も見てみて下さい。もしくはご自身のご婚約指輪の枠の作りを一つの基準にされても良いと思います。
婚約指輪屋さんもハイジュエラーも全て空枠ですが、婚約指輪というのは比較的長く使う想定で原型を作るため、強度を持たせている場合が殆どです。
そのようなリングの印象と比較して、めちゃくちゃ華奢だと思うなら、長く使う想定では作られていない事が理解できると思います。
私も空枠のお仕立ては結構好きで、空枠の品質が比較的安定している(デザインによってまちまちだったりするのが割と普通)業者さんに良く頼んでいます。
空枠の良し悪しについて、もう少し可視化してみましう。
ここに二つのリングがあります。リングサイズは同じ15号です。
センターの石のサイズは違えど、同じソリテールの枠として、大きな違いがありませんか。
まず、先ほども記した通り、手のひら側に来る腕の太さと厚みがこれだけ違います。
右のリングの方は手のひら側の地金は鋭い刃物のような印象です。
石がついている側、正面からみた様子はこのような感じで、正面からだとそこまで華奢には見えないように造られている事がお判りでしょうか。
このように正面からだと指輪の造りがどうなっているか判断しづらくなっています。
インターネット通販などで既製品のリングを購入する場合は、正面の写真しか載せていない場合が多く、その場合は必ず裏側からのアングルを見せてもらった方が良いでしょう。
(お店側に悪意があるわけでなく、単に載せることに重大さを感じておらず手間を省いているだけであることも多いです。)
具体的に良し悪しを言ってしまうなら、この右側のリングより華奢に感じるものは、ファッションリングとしても購入を避けた方が無難だと思います。
逆に、この手のペラペラな枠がついている石モノ(1ctのダイヤがついているもの等)のリングでも、好みの枠に入れ替えること前提でのお買い物であれば良い選択であると思います。
上の写真の左のリング、その枠と同じお店の別の空枠が右です。
比べると、右の方がやや腕の厚みがしっかりしています。
左は3ct用の枠、右は1ct用の枠なので、本来であれば左の3ct枠の方がガッシリしていそうですが、同じお店の扱う空枠でも、モデルが違うと細部の造りは結構違いが出てきます。
この左のリングと同じ空枠で仕立ててもらったのが↓の写真、ブラウンダイヤモンドのソリテールです。
この枠、手のひら側が若干薄いですが結構気に入っていて、幾つかの仕立て直しの際に採用した空枠です。
商品ページはこちら↓
地金や留める石の重量により価格が違いますのでご確認ください。
こちらのお店さんは、事務所にサンプル枠がある時なら郵送で貸し出ししてくださいますので、実際に指にはめて高さやサイズ感をチェックしてから購入できるのでお勧めですし、この六本爪の枠はとってもバランスが良いので立て爪が苦手という方でも美しさを楽しめる枠だと思います。
この枠でサファイアのリングをお仕立てしたお話を過去に記事にしておりました。
ご興味がおありの方がいらっしゃいましたら本日の記事と併せてご覧ください^^
この枠は、19世紀後期から現代まで存在しているクラシックなソリティア↓なので、いつ手に入れても絶対にデザインが古くならないところが大好きです。
このデザインは、0.7ct前後から楽しめる枠(指のサイズがとっても小さい方なら0.5ctくらいから)なので、そのくらいのサイズのダイヤモンドを手に入れられた際は、是非このタイムレスで美しい枠も検討されてみてください。
なお、先ほどの比較写真で出てきた、腕がややしっかりしている枠はこちらです。
この枠は横からのアングルが少し持ち上がっている、カテドラルセッティングを採用した枠です。
ハイジュエラーのお品だと、カルティエのソリテール1895やヴァンクリーフのロマンス、ハリーウインストンのソリティアリングなどがこのカテドラルセッティングです。
このカテドラルセッティングですが、海外ブランドの品だとけっこう高さがあるので、高さを押さえたいけど少し持ち上げたい場合は、先ほど紹介した↓の空枠はお勧めです。
日本人の体格に合うように少し低めに作られているので、とても着けやすく感じると思います。(私は立定的なデザインが好きなのでほんの少し物足りなかったのは内緒です)
本日のお話は以上となります^^
リクエストを頂いた内容、
「ジュエリーのリフォームをした事がありません。思い通りにならなかったらと不安です。依頼するお店や職人さんとのイメージの共有のコツ、そして依頼先を選ぶポイントを教えてください。」
一言(?)で回答するならこんな感じ、
「私もいまだに思い通りにならないケースが多いです。でも失敗が少ないのは空枠のお仕立てです。依頼するお店は、担当の方や職人など、人と人との相性が大切になって来ますので、色々問い合わせてみて感触が良いと感じたところに先ず一つ何かを作らせてみてください。
イメージ共有のコツもいまだに悩みますが、写真やスケッチが持ち込みは必須でして、仕上がり後に削るなどの微調整ができる職人を置いているところが安心です。依頼先ですが、どこから問い合わせればいいか分からない場合、お店のレビューを片っ端から読む事から始めてみてください。」
となりますが、本日書いた膨大な文章にあるように、結構複雑な事情もあったりして、できれば上に書いた内容を読んで頂いた方が理解が深まるかなと思います^^
ジュエリーのオーダーが未経験の方へ、この記事がヒントになればとても嬉しいです♪
(おわり)
追記
世界的な感染症の流行だけでなく、世界情勢も不安定になって来た今、生活に必需品ではないとカテゴライズされるジュエリーの業界はどうなってしまうのか?
どんな時でも人の心に潤いは必要ですし、ジュエリーや石に癒される時間を大切にしていたいと私自身は思っています。
殆どの石は日本でとれませんから、ジュエリーの趣味一つとっても、世界が平和でなければ成立しない事なんですよね。
人が人を傷つけて何かを奪い合うような状況が、この地球上から早くなくなりますよう、そう祈っております。