リエコの手帳

趣味と暮らしの覚え書き( ◠‿◠ )

続・恋焦がれて漸く出逢えた運命の石はオールドヨーロピアンカットでした 〜ソリテールしか勝たん!の巻〜

本記事はこちらの記事の続編です。

 

先日、この石はお見積りの為に大阪へ旅立ちました。

この素晴らしい宝物が、それに相応しいドレスを纏う為には…まだまだ冒険が必要でございます……

 

‥の続きですね!

大阪の業者さんより荷物到着の連絡が入りました。

お見積は二種類、フルオーダーでの仕立ての費用と、空枠でのお仕立て費用です。

これがまた、一筋縄では行かないのですよーー。

詳しく記していきましょう^^

 

空枠でのお仕立て

今回のルースは2ctにつき、そもそも2ct枠が存在しないモデルの方が多いという事実を踏まえたところからスタートしました。

業者さんに枠の好みを伝えてみると、お店のメニューにないという空枠を紹介して頂きました。

その空枠がこちらです。

何の変哲もないソリテールですね。

私の好みの枠は、ティファニーのソリテールをもう少し繊細にしたような感じでした。

紹介して頂いた空枠は石座に向けて腕が絞られていますが、こうすることで強度や見た目のボリュームを保ちながら石の大きさをより大きく見せることができるデザインです。

横から見たデザインも余計なものがないスッキリとしたデザインで、腕から爪がスッと生えたようなシルエットが美しいのです。

で、この枠の石座を一段上げることができると言うのです!

赤色で囲ったこの部分です。

ここにパーツを足して上げ底する形で一段上げるそうです。

この部分が一段上がることで、指に着けた時にダイヤモンドが宙に浮いたような幻想的な雰囲気が楽しめますし、ダイヤモンドのサイズも遠近法で更に大きく見えるというおまけ付きです。

そして空枠だと気になるのはここ…指につけた時に指の腹側にくるところの厚み

赤で囲ったこの部分、ここが薄いんですよね。

とは言え、ここの業者さんの空枠はこれでも他社さんの空枠より厚みがある方です。

この部分を太くできないか聞いてみると、サイズ直しをするときの要領で腕を切り部材を足すような作り方で太くすることはできるようです。

でもそうするとリングとしての強度が弱くなるんですよ。指輪の着脱の際にちょっと力を入れると歪んじゃったり、そういう感じの問題が出てきます。

ですので私はその方法は諦め、仕上げ磨きの際にここをなるべく磨かないようにできるのか、職人さんに訊いて頂くことにしました。

空枠というのは鋳造で製造するのですが、鋳造が上がってきたときの地金は荒れていて、それを鏡面になるまで磨き上げる、その作業で地金が結構減っちゃうらしいのです。

この枠の写真をよーく見てみてください。

指の腹側の地金、厚い部分薄い部分がありませんか。

これはお借りしたサンプル枠なのでシルバー925製、サンプルなのでザッと磨いて仕上げているのでしょうけれど、この太い部分が本来の太さだとすると、極端に言うと磨きをしなければこれに近い太さが残るのではないかと思ったのです。

このように担当さんに伝えますと、

その時々でふきあがりの地金の荒さはまちまちで、やってみないとどうなるかは分からないけれど、出来るだけ指の腹側は磨かない旨を伝えることは出来ますよ。」

そういう回答を頂きました。

 

フルオーダーでのお仕立て

フルオーダーで好みのソリテール枠を作っていただくにあたって問題になるのは、このシンプルな枠を手作りで作れる業者さんが殆どいないと言う事実を知っておかなければなりません。

大阪の業者さん経由で探して頂くと、作れるけど工賃がめっちゃ高いと言うことが判明しました。

その額…33万円也!

きっとジュエリー好きの皆さんは驚いたと思います。

なぜなら、ダイヤモンド取り巻きの超ゴージャスなリングであっても、材料費コミでこの価格よりもっと安く作ることができる方法をご存じだからでしょう。

これとか!

ボッタ…じゃないんですよ!!

もう少し詳しく説明しますと、このような腕にポンっと石座が乗っていて、爪が飛び出たデザインは、一本一本爪をたててロウ付するつくりだと簡単に石揺れをしてしまうそうなのです。

ですから、強度を出すためには地金の塊から削り出して、爪と石座が一体化したパーツをこしらえるそうです。

これがもうとんでもなく時間がかかるそうで…33万円と言うのは妥当な金額と言えるのです。

実はこのデザイン、アメリカで買うと円安ドル高の今でも10万円くらいで購入できるのですよ。2019年くらいまでは6万円くらいで購入できました。

それだけこのデザインを求めるお客さんが多く、このデザインを作ることに慣れていると言うことでしょう。

その点、日本はどうでしょう?

このデザインを欲しがるお客さんは殆どおらず、いたとしたらティファニーで購入する…ので、このタイプのデザインを速く作れる職人さんが出てくることは無い…とも言えるのですよー(涙)

 

ジュエリーの構造をご存じない方のために、参考動画を貼り付けておきますね。

爪の根元をロウ付けするタイプ↓

 

地金の塊から切り出し爪と石座が一体化したパーツを作るタイプ↓

(6:00頃から石座の切り出しが始まるよ)

なんだ同じじゃねーか!

と思った方がかなりの数いらっしゃると思いますが、そんなみなさんの為に解説しますと、指につけたときのエレガントさは全然違うんです。

前者は腕にポンと石座が乗ったスタイルではなく、綺麗に成形した腕を切り、一本ずつ爪をたてロウ付した石座を嵌め込んでいます。(3:00頃〜)これ、腕に嵌めこんでいるから強度が出るのです。この構造のままで一段石座を上げることは出来ません。

そして、ダイヤモンドを支えるが太くがっしりしています。昭和の立て爪に近い感じで、無骨なイメージの仕上がりです。構造上、このタイプはこれ以上爪を細くすると強度に問題が出るのでしょう。

後者腕の上に石座がポンと乗ったデザインで、動画の9:00〜切り出した石座を腕にロウ付する様子がご覧になることができます。

前者のリングと比べると、後者の方が爪のデザインが繊細で、石をくっきり際立たせているのに爪が目立ちません。

ここでも強度を考慮してか、腕にポンと乗せるのではなく、腕を少し削り高さを下げ、少しだけ沈ませているのがわかりますよね。

この動画、地金を切り出しているところを見るとわかると思うのですが、この仕事をやり慣れていない職人さんがパパっと短時間でつくれる代物ではありません。

↓これも切り出して作っていますね

 

で!!

そういえばこのエンゲージメントリング…

鍛造の職人さんに作ってもらったこのリングは切り出して作ったっぽくないか??」

そう言うことに気づきます。

このリング↓

このリングは確か10万円くらいで作れたと記憶していて…この職人さんなら予算内でいけるのでは!?

そう思うも、これを作った職人さんは年内はスケジュールパンパンだそうで年内は断念!!!!

 

あの石を今すぐに身につけたい!

年明けに理想のリングをいつもの職人さんに依頼するか、年内に空枠仕立てで理想に近いリングを発注するか…

悩んだ結果出した結論は、

「今すぐ身につけたい!!!!」

こればっかりは仕方がないですよねー。理屈じゃないのだ。

そしてもう一つの理由は‥

2ctダイヤモンドのソリテールは今までに作ったことがないから、どのくらいの高さが理想かどのくらいの腕の太さが理想か想像もつかない、だからひとまず空枠で一本作って実生活で使ってみてからフルオーダーに出したいよねッ!てことです。

空枠仕立てのリングで満足しちゃったら最安値で良いし、もしその後フルオーダーに出すにしても、二本分の費用合わせてもギリギリ予算内だし、残った空枠はモアッサナイトなんかを留めたら楽しくない!?

そのように思いまして、紹介して頂いた空枠仕立てで製作を進行中でございます。

iPhoneの画像編集で無理くり合成写真を作ってみたのですが、一段上げただけでも印象が随分変わってめっちゃ良くないですか!?

この写真を送って、こんな感じに仕上がりますか?と訊いてみましたら

「ここまでは上げずに、もう少しだけ沈んだ低い感じになると思います。でも出来るだけ爪を高く出来ないか、職人に話してみますね。」

との事、もう少し低くてもシュッとしていて良い風情をしていますね〜!!!

一気に楽しみになってきました!

 

ソリテールしか勝たん!となったのはなぜか

実は今回のお買い物で、デザインには相当悩みました。

ダイヤモンドがアンティークカットの色甘カラーなので、ここは思いっきりアンティークテイストにしようか、婚約指輪と同じスタイルのシンプルなソリテールにしようか…。

そのように思っておりましたら、Instagramのフォロワーさんより天才的なアイディアが…!

インパクトのあるサイズですからね!シンプルに仕立てたほうが、おもちゃ感(褒め)もあってある感じで良いなあ…と。カジュアルに着けても良いでしょうし。
そして!!アメリカナイズ(知らんけど)な組み合わせ合体技のアレ…ですよ!!!!」

アメリカナイズな組み合わせ合体技のアレ…とはこれのことです。

これ↓

またはこれ!!

これらは単体でつけるリングでではなく、ソリテールのリングにカチャッと重ねるだけで取り巻きリングに変身したり、サイドストーンタイプのリングに変身させたりできるアイテムです。リングエンハンサーとかリングラップとかの名前で呼ばれているみたいです。

結構前にこれらのアイテムをインスタのストーリーに載せたのですが、覚えていて下さったとのこと、嬉しいですね。

「死ぬまで完成しない…無限やーー!!」

ほんまにおっしゃる通りです!

ソリテールリングに仕立ててからこのアイテムを一個づつ増やしていけば、無限にデザインを楽しむことができるのですよ。

実は今回購入したダイヤモンドは、婚約指輪のアップグレードという意味でのお買い物でした。

そう、この記事を書いていた時は現在進行中(ダイヤモンド探しが、ね)だったんです。

アンティークダイヤに辿り着くまでは、

「婚約指輪と全く同じデザインでダイヤモンドのサイズ違いにしよう!」

と思っていたくらいですから、今回はやっぱり初志貫徹でソリテールで行こうと、そう決めることにしました。

アンティークやビンテージ感を出したければ、重ねるアイテムで取り入れればよし!!!

それに、結婚記念日に一つづつ、重ねるリングを増やしていくのはとても素敵ではないでしょうか♡

 

Black Fridayキターーーーー!!

そしてお仕立てGOのタイミング、もう素材は預けているのでいつでも行けるんですが、できればセールのタイミングが良いなあと…

すると担当さん「いつでも良いですよー!」と言ってくださり待つこと数日間、先ほどBlack Fridayが開幕しました!

そして商品ページを見ますと、

ショップポイント10倍!!\イェーイ/

そう、本記事に出て来る大阪の業者さんって、いつもお世話になっているアンジェラさんでした( ◠‿◠ )

今回もこちらの空枠(MR559)にしようかと思ったのですが、この枠は1ct枠と同モデルの2ct枠ってちょっと雰囲気が違うので、別の枠、メニューにない枠を紹介して頂いたのです。

担当のYさん、今回も私の複雑なリクエス(迷惑)について、職人さんと情報共有の為にまとめてくださりました!

こちらが実際にYさんから送られてきたまとめ図です。お忙しい時期に恐縮です!!

お問合せ業務・検品・ラッピングと全てYさんおひとりでされているそうです。

こちらの記事でも触れているのですが、ラッピングも他ではやらない工夫がなされていたりと、ここまでの事をおひとりでされているって尋常じゃない仕事量では…?

こちらの記事↓

↑このリングもMR559というモデル、これが2ct枠だったと思います。ちょっとぽってりした感じ。これはこれでカワイイ。

上の図と共に送られてきたメッセージはこちらです。

「いつもお世話になっております。

 アンジェラのYです。

 写真を添付させていただきましたので

 ご確認いただけますでしょうか。

 底上げは、以前製作させて頂いたMR559よりも

 少し高くし、

 側面はできるだけフラットにして、

 重ねづけできるようにします。

 フラットにすることで

 ピンクメレを留めることができるかも?

 という感じです。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。」

おおーーー(゚∀゚)!!!!!!

なんかいいのができそうやんけ!!!!

「承知しました!こちらこそよろしくお願いします!!」

と、文面から鼻息が伝わりそうな感じで返信しときました!

なお、この枠の品番はナンチャラ887っていうみたいで、もしこの枠で仕立てたい方がいらっしゃいましたら、お問合せの際はこの品番を伝えてください。

私はカスタムしたからちょっと料金高いんだけど、カスタムしなかったらMR559と値段あんまり変わらなかったと思います。記憶が曖昧ですみません!

実は時期的にも今が一番ベストで、この記事でも書いてるんですが、ジュエリー業界はこれから年末まで日に日に忙しくなります。

ですので、クリスマスシーズンにお宝をGETするには、まだ12月に入らないが一番良い時期なんですよ〜。

そんな時期にちょうど始まるBlack Friday!!!

私は11月25日の5のつく日にポチるぜ!!!

 

ピンクメレとは何か

ジュエリー好きの皆さん、皆さんはさっきの図のピンクメレって箇所を見逃すはずがありませんね!!

このピンクメレ、ちょっとオリジナリティーも欲しいなって思って「側面に一石入らないかな?」って相談させて頂きました。

すると職人さんのご判断は「これは底上げをやってみてからじゃないとわからんなあ〜?」という感じらしいです。

もし入るなら、色の濃いピンクメレ…もちろんナチュラルピンクな極小ダイヤモンドです!

しかもここで使おうとしているピンクダイヤは、だいぶ前にFLAGSさんで購入したリングから取り出したピンクダイヤモンドなんです♡

このリング、当時はプラチナ製で中央がピンクダイヤモンドの商品があったんです。

確か数量限定だったかな、オーストラリアのアーガイル鉱山が閉山すると話題になり始めた(?)ときで、このメレもアーガイルのピンクダイヤモンド、購入したのはまだ独身の頃、購入履歴を見てみると誕生日に買ったと思われます。

このリング、今はあまり身につける機会がなくて、今回のとっておきのソリテールリングにピンクダイヤモンドを移籍してあげたいのですよ。

残りの枠とホワイトメレは、中石を色石に変えるもよし全部バラバラにして素材として将来の為に取っておくも良し、ほんとジュエリーって無駄がないんです。

いや、素材が悪ければこういうことは出来ないのです。

FLAGSさんのメレはめっちゃ綺麗なのでこういうことができるんですよ♡

いやー…

楽しみで仕方がないですね!!!!

今回は私にとっては珍しく現在進行中で記事を書いているので、現段階でお話しできるのはここまで、25日にポチって仕上がりまで待ち遠しいですね。

アンジェラさんの空枠仕立て、しかも裏メニュー?

担当のYさんによると、過去にこの枠で底上げタイプを作ったことがあるそうなのですが、その時も良い感じだったみたいで期待値が爆上がりです。

胸熱!!!!!

 

(おしまい)

 

2ctラウンドダイヤの旅シリーズ、過去のお話はこちら↓

ラウンドブリリアントカットの大粒ダイヤモンドを探す旅はついに終結しました。然し、私の運命の石はラウンドブリリアントカットではなく…? - リエコの手帳

恋焦がれて漸く出逢えた運命の石はオールドヨーロピアンカットでした。 - リエコの手帳

 
 
 
 
 
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