インスタグラムにて、
「手持ちの貴金属を売却してまで積極的に購入した淡水真珠…。」
このようなお話を書いたのですが、詳しく書きたいだけ書いてしまうと文字数制限で弾かれてしまいそうだったので、こちらに追記することにしました^^
ここ何年かずっと、アン・ブーリン、エリザベス一世、ヴィクトリア女王、エカチェリーナ二世等、欧州の女王や王妃に関するドラマや映画を好んで鑑賞しておりまして、
その中でも現代の女王、エリザベス二世を中心として描かれたザ・クラウンでは、ストーリーだけでなくジュエリー使いも大いに楽しんでおります。
現代の女王なので、オフの装いは私たち庶民の装いと概ね同じでしょう。生地の質や仕立て、価格などは勿論違うでしょうけれど…!
「女王は普段着にどんなジュエリーを合わせていらっしゃるのかしら…。」
そう思い注意深く見ていると、結婚指輪・婚約指輪、そして真珠のネックレスのパターンが定番なのだな、という事がわかりました。
現代の王室に関する物語ですので、劇中の装いと実際の装いにそこまで違いはない…のではと思っております。
上記のザ・クラウン特別映像〈ファッション編〉でも、製作陣が拘りを見せておりますしね…!
そして、私が大変興味深く思ったのは、普段着や宮殿での仕事着に合わせている真珠のネックレスと同じお品を、ドレスを着て冠をかぶり、豪華絢爛なブローチを合わせるような場でも合わせている事でした。
この時私は、
「真珠って凄くオールマイティーな装身具なんだ!」
とびっくりしました。
私が初めて、真珠に対して強い興味を抱いた瞬間でした。
↓実はこの真珠の時にはそんな事をフワフワと考えていたのですよ
真珠は普段使いできない…だと?
真珠はオールマイティーな痩身具…!
それなのに、真珠は汗に弱いから普段使いできないという…。
いや普段使いできないというより、大事にしまっていても穴の中から劣化していくというのに、毎日のように着けたらめちゃくちゃ劣化するよね…!という話で、普段使いは絶対にしないという方が大多数…。ミキモトとか…とても高価ですもんね。
使ったら必ずお手入れをすれば…!
真珠の表面を薄皮一枚削るメンテナンスをすれば…!
とも思いましたが、それも限界というラインがあります。
養殖真珠の真珠層はもの凄く薄いので、うっかり表面を傷付けてしまい真珠層が剥がれて仕舞えば修復はできません。
↓劣化を防ぐにはこういう新技術を使うの良いかもしれません。
でもこれは核を挿入して作る養殖真珠の場合のお話であり、アンティークジュエリーに見られる天然真珠は核を持たない為、劣化スピードが可成り遅い…100年以上経過しても魅力が失われないお品が存在しているのはこの為なのですよね。
エリザベス二世が在位していた70年間、身につけていた真珠が全て同一のもので、天然真珠かどうかはわかりませんが、
彼女の場合、仮にミキモトの養殖真珠を愛用していたとしても、劣化したらその度に買い替える事は容易な事であったでしょう。
矢張り真珠の世界は現代でも超富裕層でない限り愉しめない世界なのかと、私はガックリ肩を落としました…。
本当にそうなのだろうか?
こうして私はガックリ肩を落とした訳ですが、切り替えは非常に早く、
「無核の淡水真珠であればこのような心配をせずに一生使えるのではないか?」
と思い立ちます。
然しそれは淡水真珠、あくまでも淡水真珠…。。。。
私の母なんて「淡水真珠?それって貝パールでしょう?」というような認識でして、淡水真珠が安価な模造品と思われているのが引っかかっていました。
貝パールっていうのは本真珠そっくりに作られた模造真珠ですが、淡水真珠は本真珠(貝の内部で作られた真珠)です。
このような誤解があるという事は、母だけでなく、一定数の方に淡水真珠は安価な模造品というイメージが広く定着している可能性があるということ…。
高品質な淡水真珠は安価ではない事実
「淡水真珠?安価な模造パールでしょう?」
そういう認識でいる方が一定数いらっしゃるというのに、高品質な淡水真珠を買うとなると決して安価ではないんです。
本当に綺麗な淡水真珠は、アコヤ真珠の低価格なお品と同じくらいのお値段、またはそれ以上のお値段になります。
それなのに、安価な模造品と認識される…。。
真珠に詳しい方であっても「あくまでもアコヤ真珠の代用品よね」と認識されてしまう雰囲気に、何だか前向きになれませんでした。
私は「身につけることで人からどう思われるか」をお買い物の大きな判断基準にする事は殆どありません。懸念していたのはその点ではなく、違う視点でした。
それは、殆ど価値がない(と思われている)物に投資してしまうと、いつか手放さなくてはならない時に手放すこと自体が難しくなると言う点です…。。
不死の薬が開発されない限りは、いつか手放さなければいけない日は絶対にやってきます。それなのに、余りにも人気がないものは、無料であっても欲しいと思ってくれる人は現れません。
長年愛してきた愛用品を、誰かに繋ぐ事ができず処分するしかない未来がハッキリと視えているのに、買い物を推し進める事はいかがなものかと思ったという事ですね。
湖水真珠という存在からわかる事
そうこうしているうちに、湖水真珠という美しく希少性の高い真珠が存在する事を知ります。
湖水真珠とは、淡水真珠のなかでも飛びきり品質が高く一際美しい真珠のことを、低品質な淡水真珠と区別するための名前だそうです。コマーシャルネームと言うことでしょうね。
↓こちらのサイトがわかりやすかったです
そして当然、湖水真珠として取り扱われる淡水真珠は、その他の淡水真珠よりも価格が高価です。
このような湖水真珠ですが、真珠に詳しい方はご存知のようで、知っている方は知っている、という雰囲気がありました。
美しく希少価値が高い湖水真珠であれば、手放さなければいけないその時に、欲しい!と思ってくださる方が現れる可能性がゼロとは言えないのではないか、大切にしてくださる方にお繋ぎすることが出来るかもしれない!と思うようになりました。
「湖水真珠で丸いのがあれば、フォーマルにも使えるし、豪華なクラスプを着けたりして楽しいかもしれないなぁ。」
そんな風に思い始めてのんびり構えておりましたが、ある事実を知ることになります。
無核の湖水真珠が消える
Instagramのフォロワさんで、兎に角美しい湖水真珠のリングを所有されておられるMさんという方がいらっしゃるのですが、
「湖水真珠も、三年前から核を挿入するようになったから、無核の湖水真珠って今後は無くなるっぽいですよ〜。」
と、教えてくださいました。
えっ??
ってなりますよね!!
ちょ待てよ、ですよ!!
そして真珠の卸のお爺ちゃまによると、
「淡水真珠は殆どまん丸にならないんですわ。でも需要はまん丸なもんでね、核を入れたらまん丸になりますもんで、今は核を入れて養殖をする方向に切り替えているという事です。」
なんて事だ…!
この辺を調べまくったけど情報が少なくてふわっとしてるんだけど、私がふわっと調べた感じだとこうです。
今までの淡水真珠の養殖では、核を入れたら育たなかった、だから核を入れずにピースを挿入する(貝ひもの破片みたいなんを入れるらしい?)養殖法を実施していたので無核の真珠を作れていたんだけど、
養殖技術が進化して湖水真珠と呼ばれるような圧倒的に美しい淡水真珠を作ることが可能になり、さらには核を入れても順調に育つようになったらしく、有核にシフトして行ったということのようです。
無核の方は5年〜8年も養殖期間が必要なのにも関わらず、大きくてまん丸な真珠は採れません。
有核ならもっと養殖期間を短くすることができる上に、大きくてまん丸な真珠を採ることが出来るようになります。
真珠のビジネスとして考えたら、有核の養殖を選択する事が正しいですし、無核が姿を消して行くのは当然の流れと言えるでしょう。
完全に無核の湖水真珠は消えるのか?
私はこれについて、可能性は半々かなーと思っております。
なぜかというと「欧州の一部の人々は、有核の真珠を敬遠する。」このようなことを耳にした事があるのです。
現在、無核の真珠を買うとなると、選択肢は三つしかありません。
1. 無核の淡水真珠
2. ケシ真珠
3. アンティークの真珠
そのなかでも7mmや8mmの丸に近い真珠が欲しいなら、1か3しか選択肢がありません。
アンティークの真珠であっても200年以上経てばそれなりに劣化しますし、紛失したりすれば更に数が減るでしょう。
そうなれば最終的に選択肢は一つ、無核の淡水真珠しかありません。
もしこのような背景から無核の淡水真珠の需要が僅かながらある場合は、全て有核に切り替えるのではなく、無核の真珠を引き続き少数生産し、価格を高くして行く流れが起こるの可能性があるのではないでしょうか?
然しながら、この予想がどちらに転んでも、私にとっては残念な世界線がやって来てしまいます。
無核が姿を消す世界線であれば、私は希望条件を兼ね備えた真珠を手にする事はできません。
無核が少数生産されて価格が釣り上がる世界線が来るなら、資金面で、私は真珠を手にする事ができません。
ならどうするの?
いまでしょ!?
今のうちに欲しい真珠を買うのだ!!
こうして、手持ちの貴金属を処分してまで資金をこしらえ、積極的に真珠を購入する気になったという訳でございます…!
実は真珠に関しては、40代の中頃からゆっくりと揃えて行きたいなと思っていたのです。
だから今すぐに欲しいものじゃないんです。。
今は真珠を合わせるようなクラス感のあるコーデなんかしませんしね…40代中頃からそんなコーデするのかと言われれば謎だけど…。
今すぐに使わないであろうジュエリーにまとまったお金を使うことに、抵抗がなかったと言えば嘘になります。
でも私の今までのパターンから分析すると、少し先の未来を見据えて購入した宝石が後になって効いてくるってそれなりに多いので、今回もそのパターンで行く事にしました。
↓過去、少し先の未来を見据えて購入した宝石で成功した例
そこそこの淡水真珠を探せ!
そこそこの淡水真珠とは何かというと、
「アコヤ真珠と並べてもそんなにはおかしくないけれど、湖水真珠と呼ばれる程メタリックでなくても良い。」
みたいな、ザックリした感じのイメージです。
特に真珠って完全に自己満足の世界だから、自分が納得していれば良いし、私に関しては真珠を見慣れてる訳じゃないのだから、そこそこ綺麗であれば満足できそうでした。
でもその代わりに、別の点で拘りがありました。
宝石店でも滅多にお目に掛かれないデザインが欲しい
そう、先程チラッと出て来た、
「湖水真珠で丸いのがあれば、フォーマルにも使えるし、豪華なクラスプを着けたりして楽しいかもしれないなぁ。」
これです!!
アンティークの真珠のネックレスに見られるような、クラスプ(留め金)に大粒のダイヤモンドや色石があしらわれたお品…!
そんなお品は日本の宝石店では殆ど見かけません。
↓こちらの真珠の首飾りはマリーアントワネットの愛用品…!
華麗なるギャッツビーで見られる、沢山の真珠を連ねたネックレスやブレスレット…!
このようなおびただしい数の真珠があしらわれているジュエリーなんて…堪りませんよねッ!
クラフト感があるイニシャルチャームをぶら下げて、アン・ブーリンのようなネックレスも素敵…!
このチャーム…金が高い今、作ったらどれくらいの金額になるのだろうか…!
海外のショップで、このデザインの首飾りを買うことが出来るみたいですよ^^
ダウントンアビーのマダム達みたいに、超長いネックレス、ソートワールが欲しい…!
エレガント!リッチ!素敵すぎる!!!
このように、真珠の品質にはそこまで強い拘りがない代わりに、真珠をジュエリーにする際のデザインには強い拘りがありました( ◠‿◠ )
そして買ってみた!
こうして、気になる淡水真珠を入手してみました!
私が今回購入したのは、湖水真珠として取り扱われているお品ではなく、普通の淡水真珠として販売されているお品です。
インターネット上の膨大な情報から探してみると、湖水真珠として販売されているものの中には、普通の綺麗目な淡水真珠とどう違うのか良く分からない湖水真珠と、見事な照りを持つメタリックな輝きのイメージ通りの湖水真珠で入り乱れている感じだったんですよね。
それなら、湖水真珠という名前に拘るよりも、淡水真珠という大きな括りで探した方が良いお品に出会えるのではないかと思ったんです。
それに、湖水真珠として取り扱われているお品は割高ですが、綺麗目な淡水真珠として売られているお品は比較的価格が控えめなのも嬉しいところでした。
この照り!!!
艶々としていて色合いも美しい淡水真珠がやってきました。
無核・無調色・無漂白の淡水真珠との事です。
一番右の連がほぼラウンドのホワイトピンク、真ん中の連がお饅頭型のスカイブルー、左の連は購入の際にプレゼントで頂いたライス型の淡水真珠です。
この中だと、私は真ん中のスカイブルー(グレー系)の真珠の照りが好きです。
先程の真珠の卸のおじいちゃまのお話に出てくる通り、淡水真珠はまん丸の球体にはなりません。ですので、右の真珠はまん丸っぽいですが、よく観察するとほんの僅かにボタン型です。
実はこの真珠、自分の手でオールノットにできないか考えているんです。
オールノットを真珠専門の職人さんにやってもらうと、複数連のネックレスはかなり工賃が高くなっちゃうみたいで、まずは自分でチャレンジしてみようかなという塩梅です。
オールノットのやり方は、こちらの動画が分かり易いなと思っています。
私の場合、クラスプやチャームを作る方に資金を使いたいので、糸替えくらいは是非自分でやりたいんですよね。
ワイヤー仕立てなら工賃が安いのですが、ワイヤーだとしなやかさが無くてイメージとはだいぶ違う感じになっちゃうんですよ。
それに、長期間使用するつもりで吟味した淡水真珠ですから、破損して珠がバラバラになって紛失…なんて困ります。オールノットでしたら、糸が切れたり破損したりしても、バラバラになることがありません。
真珠の糸はこちらを購入してみました!
ハサミで切りにくい程に丈夫な糸、とのことです。
まだ全然着手していないんだけど、真珠を紡いで、夢の首飾りを完成させるのが楽しみです。
プレゼントで頂いた、ライス型の首飾りは早速使用しています^^
先日揃ったエメラルドのセットと合わせても素敵でした。
本真珠って、肌に当てた時に冷やっこくて、そのしなやかな肌あたりが気持ち良いのですね。
真珠一本の首飾りとは使用感が異なり、真珠五本の首飾りは独特な心地良さがありました。
五連でも、無核なので重たくないのが良いですね。
本日は、淡水真珠のお話でした。
美しい女性の美しい肌には、美しい真珠を…!
そういう人に、私はなりたい…!
(おしまい)